2016 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism of stress-induced exothermic reaction in Ti/Si multilayer films and development of novel reactive bonding technique
Project/Area Number |
16H04510
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
生津 資大 愛知工業大学, 工学部, 教授 (90347526)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 瞬間ハンダ接合 / 自己伝播発熱多層膜 / Ti/Si / 機械刺激反応誘起 / 新規接合技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,自己伝播発熱反応を機械刺激で誘起できるTi/Si多層膜の機械刺激反応誘起メカニズムをマイクロ~ナノ実験力学独自技術で解明し,この新奇な瞬間発熱素材の特長を活かしたハンダ接合体の0.1秒瞬間製造技術を実現することを目標とし,研究に取り組んできた.スパッタ製膜した多層膜および斜め蒸着したナノコラム(いずれもTi/Si多層構造を持つ)に対してそれぞれ一軸/二軸面内引張ならびに電子顕微鏡内プローブ加圧で機械刺激を付与し,応力印加に伴う原子拡散現象の可視化とそれ基づく化合物生成発熱反応の開始条件の特定を目指した.Ti/Siナノコラム実験ではTiとSiの界面に応力集中させる3次元形状の実現を目指す.そして,ハンダ箔およびサブμハンダボールの表面にTi/Si多層膜を製膜し,表面平滑性の異なる試験体を加圧のみで瞬間ハンダ接合する製造技術の確立を目指す. 研究初年度の平成28年度,まずは自作したデポダウン三源dcマグネトロンスパッタリング装置を用い,様々なTi/Si多層膜を作製した.具体的には,原子比,バイレイヤー厚,総膜厚を変化させてTi/Si多層膜を製膜し,発熱エネルギーや電気刺激・機械刺激による反応誘起の可否などを検討した.その結果,機械刺激で反応誘起可能な原子比やバイレイヤー厚などを特定できた. また,斜め蒸着法によるTi/Siコラム構造の作製を行い,この構造体の作製に成功した.しかし,機械刺激による反応誘起の実現は未到達であり,これからの課題である.さらに,粒子被覆用のバレルスパッタ装置の設計に着手し,概ね順調に進んでいる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請当初,平成28年度の取り組み内容として, (1) Ti/Si多層膜作製と応力印加実験の準備 (2) Ti/Si多層膜の応力誘起発熱反応の開始応力閾値の実験的特定 (3) 斜め蒸着によるTi/Siナノコラムの作製 (4) 粒子被覆用バレルスパッタ装置設計 を考えていた.上記(1)ならびに(2)は概ね順調に進んでいる.(3)はTi/Siコラムの作製には成功しているが,機械刺激による反応誘起実現には至っていない.(4)は粒子被覆用の新規スパッタ装置の設計が構想段階であるが概ね順調に進展している.以上の諸点より,本研究は総合的に概ね順調に進展していると判断できる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進方策として,下記を検討している. (1) デポダウン三源dcスパッタリング装置を用いた様々な仕様のTi/Si発熱多層膜の作製と,膜構造および発熱エネルギーと製膜条件の相関調査 (2) 機械刺激反応誘起メカニズムの特定と最小機械刺激エネルギーで反応誘起可能なTi/Si多層膜製膜条件の調査 (3) Ti/Siナノコラム構造体のファイン化と機械刺激反応誘起の実現 (4) 粒子被覆用新規スパッタリングシステムの構築 複数の学生と共にこれらを並行して進め,更なる成果を挙げていく.
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Research Products
(4 results)