2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of growth factor-free tissue adhesives with angiogenic and tissue adhesive properties
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16H04524
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
田口 哲志 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, グループリーダー (70354264)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 接着剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
ゼラチンに含まれるリシン残基のアミノ基の一部を疎水化した疎水化ゼラチンを合成し、これを用いて疎水化されていないゼラチンのアミノ基を、両末端にスクシンイミジル基を有するポリエチレングリコール系架橋剤等によりin situ架橋することで、疎水化ゼラチンゲルを得た。疎水化ゼラチンおよびポリエチレングリコール系架橋剤を溶解する緩衝液のpHを増加させることによりゲル形成速度を早くすることができた。疎水化ゼラチンゲルとオリジナルゼラチンゲルの生理食塩水中における膨潤挙動を比較した結果、低疎水化率の疎水化ゼラチンの場合、同じ活性エステル/アミノ基割合においては、膨潤特性に大きな差は認められなかった。また、動的粘弾性測定によるゲルについても疎水化ゼラチンゲルとオリジナルゼラチンゲル間での貯蔵弾性率の大きな差は認められなかった。一方、疎水化ゼラチンゲル上に細胞を播種することにより、ゲルと細胞との相互作用について評価した。血管内皮細胞を用いた場合、ゲル内への細胞浸潤が認められ、その程度は疎水化ゼラチンを用いる方がオリジナルゼラチンより顕著であった。この傾向は、血管内皮細胞だけでなく、線維芽細胞およびマクロファージ系細胞を用いた場合にも同様であった。また、マクロファージ系細胞をゲル上に播種することにより、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)を酵素免疫測定法により定量した。上澄のVEGF濃度を定量した結果、疎水化ゼラチンゲル上で培養した際にはVEGF濃度が低い傾向が認められ、疎水化ゼラチンとVEGFとの相互作用が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
繰越申請を行った計画に従って研究が進捗しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定された計画に従って、研究を推進する予定である。
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Research Products
(16 results)