2016 Fiscal Year Annual Research Report
双晶形成に基づく集合組織変化を活用した易成形性マグネシウム合金の創出
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16H04525
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
千野 靖正 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 構造材料研究部門, 研究グループ長 (50357498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 裕美 豊橋技術科学大学, 学内共同利用施設等, 教授 (00319500)
馬渕 守 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (00358061)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | マグネシウム合金 / 集合組織 / 組織 / 成形性 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、Mg合金へのCa添加が圧延材の組織や室温成形性に及ぼす影響について系統的に調査を行った。Mg-Xmass%Ca合金(X=0.01~0.3)および純Mgインゴットを高周波炉により溶製し、押出加工の後に、均質化処理した試料を出発材とした。厚み5mmから1 mmまで高温での焼鈍と温間での圧延を繰り返し行い、圧延後に焼鈍を行った。圧延材の組織・集合組織を評価するとともに、圧延材より円形状のブランクを切り出し、エリクセン試験により室温張出し成形性を評価した。 圧延材の底面集合組織を調査した結果、Ca濃度の増加に伴い集合組織強度は低下し、Mg-0.01%Ca合金の集合組織強度は約20であるのに対し、Mg-0.1%Ca合金の集合組織強度は約4まで低下した。また、上記合金の組織観察の結果、Caを0.3%以上添加すると比較的微細な粒径(35μm)になるが、0.1%以下の添加では結晶粒径に大きな差が現れないことが確認された(粒径:約50μm)。 上記合金の室温エリクセン試験を実施した結果、Ca濃度が0.01から0.05%の範囲ではMg-Ca合金は純Mgとほぼ同じエリクセン値を示した。一方、Ca濃度を0.1%に設定すると著しく高いエリクセン値(7.1)が得られた。 次に、汎用Mg合金(AZ31:Mg-3mass%Al-1mass%Zn合金)圧延材を対象として、曲げ引張り加工を実施し、曲げ引張り加工が板材の集合組織形成に及ぼす影響を確認した。一連の実験の結果、曲げ引張り加工時の金型形状(曲げ半径等)を最適化することにより、加工方向に傾いた特定の極が集合組織に現れることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Mg-Ca合金の組織と室温成形性の関係を明らかにするとともに、曲げ引張り加工によりMg合金の集合組織の形成を制御できることを汎用マグネシウム合金を用いて確認を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、汎用合金を用いて曲げ引張り加工がマグネシウム合金の集合組織形成に及ぼす影響を調査し、集合組織が改質する好適な条件を導出する。得られた条件をMg-(Zn)-Ca合金等に適用し、曲げ引張り加工が組織・集合組織形成に及ぼす影響を明らかにする。
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Research Products
(2 results)