2018 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of the degradation mechanism of the electrocatalyst for a polymer electrolyte fuel cell by operando TEM observation
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16H04528
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Research Institution | Japan Automobile Research Institute |
Principal Investigator |
清水 貴弘 一般財団法人日本自動車研究所, 電動モビリティ研究部, 研究員 (90409657)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 電極触媒 / 固体高分子形燃料電池 / 構造変化 / 透過電子顕微鏡 / オペランド / Ex situ TEM |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、透過電子顕微鏡(TEM)内に固体高分子形燃料電池の実使用環境を構築することにより、電位変動に起因する電極触媒の構造変化過程を直接的に観察する「オペランドTEM観察技術」を開発してきた。2018年度は、開発した技術を既存のEx situ TEM観察技術と組み合わせることにより、これまで不可能だった燃料電池作動中の電極触媒の構造変化を可視化し、詳細な劣化メカニズムを明らかにすることを目的とした。電極触媒の構造変化には、高分子電解質(アイオノマー)の被覆状態が大きな影響を与えることが既往研究で確認されている。そのため、これまで着目してきたカーボン担体と触媒Ptナノ粒子の構造変化に加え、アイオノマーの触媒被覆状態やアイオノマー自体の構造・形態変化について、同一試料・同一視野のEx situ TEM観察を行った。しかし、今回実施した起動停止および負荷応答を模擬する電位サイクル試験条件(1,000サイクル)では、膜電極接合体(MEA)の構造変化自体が軽微なものであったことから、アイオノマーの構造変化を明らかにするには至らなかった。そこで研究計画を変更し、より高分解能の観察が可能と考えられるMEA切片のTEM観察を併用することでEx situ TEM観察結果を補完することとした。触媒層の構造に明確な変化が生じる条件を選定し、負荷応答を模擬する電位サイクル試験を30,000サイクル実施したMEAから作製した超薄切片をTEM観察した結果、触媒層全体に空隙が存在することがわかった。これによって、電位サイクル試験によるPt表面積の減少とカーボン担体の構造変化の関連性が確認された。本研究の重要な成果として、Ex situ TEM観察技術により、同一試料の電気化学的特性の変化と触媒層の構造変化を可視化し、電極触媒の劣化メカニズムを詳細に解析することが可能となったことがあげられる。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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