2020 Fiscal Year Annual Research Report
Microstructure refinement of steels using fluctuation in solid solution
Project/Area Number |
16H04538
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
小林 千悟 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 教授 (10304651)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平岡 耕一 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 教授 (00199043)
上田 正人 関西大学, 化学生命工学部, 教授 (40362660)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ゆらぎ / 微細組織 / 鉄鋼材料 / 固溶体 / チタン合金 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた固溶体中のゆらぎ生成の直接観察を試みた。試料をTEM内で加熱しながら観察を行うin-situ TEM実験を行った。まず最初にin-situTEMにおいて重要なTEM内加熱時の試料温度精密測定について検討した。融点が既知の金属材料5種類を用い、試料温度上昇に伴う融解現象をTEM観察から直接捉える方法と、融解に伴う潜熱生成を温度変化曲線から捉える方法を併用し、文献値と実験値の相関を線形近似曲線で表して、in-situTEM加熱実験中の試料温度評価法を確立した。その後、試料内の各温度で加熱して、固溶体中のゆらぎ生成を捉える実験を試みたが、試料組成ならびに加熱条件の調整が十分ではなかったので、制限視野回折法による結晶構造評価や格子定数評価では、ゆらぎの存在を明確にとらえるには至らなかった。研究期間終了後も、引き続き試料組成と加熱条件を種々変化させて実験し、高分解能像法と収束電子線回折法も活用して、引き続きゆらぎの直接観察を試みる。 また、固溶体中のゆらぎ生成と電気抵抗率変化の相関についても調査を行った。その結果、析出現象が生じる前のゆらぎ生成ステージにおいて、電気抵抗の上昇が認められ、電気抵抗を増加させる何らかの構造変化が試料内部で生じていることが明らかとなった。電気抵抗を増加させる要因としては、結晶格子の乱れが考えられ、結晶構造が変化する際に結晶格子の乱れが大きくなっていることが示唆された。 さらに、今年度は固溶体のゆらぎ生成を間接的に評価する方法として、熱処理の最後の冷却中に生じるナノスケールの炭化物生成状態に着目することを見出した。研究期間終了後もそのような間接的な固溶体のゆらぎ評価方法を検討する。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)