2016 Fiscal Year Annual Research Report
各種蓄電デバイス高性能化のための長尺機能性ナノファイバーの開発
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16H04558
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
向井 紳 北海道大学, 工学研究院, 教授 (70243045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻野 勲 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (60625581)
岩村 振一郎 北海道大学, 工学研究院, 助教 (10706873)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 反応・分離工学 / 触媒・化学プロセス / ナノ材料 / 燃料電池 / 電気二重層キャパシター / レドックスフロー電池 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では独自に開発した長尺カーボンナノファイバー(CNF)の高効率製造法(LPI法)を発展させて、高機能化された、あるいは新機能が導入されたナノファイバー(NF)を効率よく製造する技術を確立し、これによって得られた機能性NF(FNF)を各種蓄電デバイスの性能向上のために活用することを目的に実施している。本年度は主に種々のFNFを製造することを目的に研究を実施した。 まずLPI法において、通常の原料である炭化水素にピリジンを混合するだけで、窒素がドープされたCNFが容易に製造可能であることを実証した。導入量は最大でも1.2wt%程度であったが、わずかな導入量でもCNF表面の親水性が飛躍的に高くなることが確認できた。また同様に原料にホウ酸を混合することでホウ素がドープされたCNFも容易に製造可能であることを明らかにした。ホウ素の場合もその量は限られていたが、導入により導電性、耐酸化性の大幅な向上が可能であることが分かった。 LPI法において原料にフェニルシランやテトラエチルオルトシリケート等、液状のケイ素含有化合物を混合すれば、窒素、ホウ素の場合と同様にケイ素あるいは二酸化ケイ素が導入されたCNFを得ることが可能であることも明らかにした。ここで製造温度を高くすれば、炭化ケイ素を含むCNFも得られることが分かった。炭化ケイ素を塩素で処理するとケイ素が除去されて、ミクロ孔相当の空隙が残ることが知られているが、炭化ケイ素を含むCNFを塩素で処理したところ、最大で1700m2/gのBET表面積を有するCNFが得られた。このように表面積を向上させたCNFにスルホ基を導入したり、ナノ粒子を担持したりすることが可能であることも確認している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
年度当初の計画で開発を目指していた一連のFNFの製造に成功しており、これらを用いて次年度以降に予定していた各種蓄電デバイスへの応用検討にスムーズに取り掛かることができる状況となっている。また平成29年度に開始する予定であったFNFの成型法に関する検討を前倒しで開始できている。以上より当初の計画以上に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は当初の予定通り、FNF成型技術の開発、FNFの電気二重層キャパシターへの利用、FNFの固体高分子形燃料電池アノード触媒への利用そしてFNFのレドックスフロー電池への利用それぞれに関する検討を開始する予定である。
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Research Products
(13 results)