2016 Fiscal Year Annual Research Report
トランスジェニック鳥類を用いたインフルエンザパンデミック防御
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16H04574
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
西島 謙一 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (10262891)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 悦郎 九州大学, 医学研究院, 教授 (00160903)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | IFITM10 / ニワトリ / ウイルス感染性 |
Outline of Annual Research Achievements |
抗ウイルス活性を有するとされるIFITMファミリーのうち、機能未知のIFITM10のクローニングと機能解析を行った。ニワトリIFITM10はほ乳類との相同性の低いN末端と相同性の高いC末端とを有する240アミノ酸のタンパク質であった。まず、ニワトリ個体での発現を定量RT-PCR法により調べた。成熟個体では輸卵管、脳、肺、卵巣などで発現していたが、その発現レベルは他のIFITMファミリーに比べ低かった。また、IFITM10は肝臓や精巣ではほとんど発現していなかった。一方、胚ではIFITMファミリー遺伝子は成熟個体よりも低い発現レベルを示す中で、IFITM10は成熟個体よりもやや高いレベルで発現していた。このことから、IFITM10はIFITM3とともに胚で発現する主要なIFITMであるものと考えられた。抗ウイルス活性を誘導するインターフェロンαによりニワトリ胚線維芽細胞を処理した際、他のIFITMの発現が強く誘導される一方、IFITM10はほとんど誘導されないことが示された。次に、IFITM10を培養細胞で発現させ機能解析を試みた。IFITM10はVSV-G発現細胞の酸処理により誘導される細胞融合を防ぐ活性が認められ、この活性はN末端領域を除去しても消失しなかった。次に、ニワトリ線維芽細胞株DF-1を用いてIFITM10安定発現細胞株を樹立した。この細胞を用いてVSV-Gシュドタイプ型レンチウイルスベクターの感染性を検討したところ、IFITM10がウイルス感染を若干低下させることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
機能未知であったニワトリIFITM10の機能解析を進め成果を公表できた。抗ウイルス活性は強くないことが示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
ムチンなど他の抗ウイルスタンパク質を検討する。
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