2017 Fiscal Year Annual Research Report
異種界面での化学結合を伴わないナノ-バイオハイブリッド材料作製技術の開発
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16H04577
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
丸山 達生 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (30346811)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 勉 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (90436551)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 表面機能化 / ナノ粒子 / 高分子重合 / 界面活性剤 / 分散 |
Outline of Annual Research Achievements |
様々な材料で様々な形状のナノマテリアルの作製が可能になってきた。特に、Carbon nanotube (CNTs)のような優れた物性を有するナノ材料が注目を集めている。しかしナノ材料活用の際、水などの溶媒中でナノ材料が凝集してしまうことが大きな問題となっている。一方、今後ナノマテリアルは特定の材料に限らず多種多様な材料で作製されていくと予想される。そのため多種多様な材料の表面を同じ方法論で、しかも簡便に修飾・分散安定化する技術が必要になると考えられる。そこで本研究では、界面活性剤の非脱着化のために界面活性剤同士で重合化させる方法を検討した。ここでは、界面活性剤に重合性官能基を導入し、光あるいは熱刺激で界面活性剤同士が重合するようデザインした。重合性界面活性剤を新規に設計, 合成した。重合性官能基にはラジカル重合可能な官能基を用いた。また、疎水鎖として主に脂肪族炭化水素を、親水基はノニオン性の官能基を使用した。この重合性界面活性剤を用いてCNTsの分散実験を行った。合成した重合性界面活性剤は市販の界面活性剤と比較しても十分な界面活性能を有していることを確認した。洗浄後も分散状態を維持できたのは、架橋剤を加えて分散中に重合を行った場合のみであった。また、架橋剤を加えずに重合したポリマーを後入れした場合は分散液を得ることができたのに対して、予め架橋剤を加えて重合したポリマーをCNTs/toluene液に後入れした場合は洗浄前も分散液を得ることができなかった。これはポリマーが架橋される事によってポリマーが後からCNTsにまとわりつきにくくなるためであると考えられる。以上より、架橋剤加えてCNTs分散中に重合することでCNTs表面に界面活性剤を固定できることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた界面活性剤を合成し、その評価を行い、期待したパフォーマンスが得られていたため。
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Strategy for Future Research Activity |
金属ナノ粒子、高分子微粒子等の表面を重合性界面活性剤により被覆後、界面活性剤同士を重合・連結し、不可逆的な表面修飾を行う。この機能化した表面に新たな分子を結合し、ナノ粒子、微粒子に新たな機能を不可逆的に導入する事を検討する。 一方、グラフェンなどの炭素ナノ材料表面をヘキシルチオフェンで被覆し、溶媒にグラフェンを分散させる。この後重合することでグラフェン表面でのポリチオフェンの合成を検討する。これにより、分散安定化処理を不可逆的に施したグラフェンを作製し、このポリチオフェン被覆グラフェンの溶媒中分散特性および電気的特性を明らかにする。
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Research Products
(7 results)