2017 Fiscal Year Annual Research Report
ネガティブレギュレーションを全て解除した基幹化合物生産細胞工場の創製
Project/Area Number |
16H04578
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
近藤 昭彦 神戸大学, 科学技術イノベーション研究科, 教授 (40205547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 拓也 神戸大学, 科学技術イノベーション研究科, 特命助教 (40727161)
田中 勉 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (90436551)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | バイオリファイナリー / 代謝工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、昨年度の引き続いてフィードバック阻害の解除およびネガティブレギュレーションの解除に向けて研究を進めた。本年度は代謝系における阻害に加えて、糖類の取り込みに対する抑制における検討も進めた。通常の微生物では主にPTS経路で等を取り込んでおり、Permease等のシンポーターを介した取り込みは抑制されている。リジン生産経路のフィードバック阻害を解除したC. glutamicumを用い、この糖の取り込みに対する阻害の影響について検討した。トランスポーター発現を抑制しているiolRを破壊するとその生産量は向上する報告がいくつかされているが、本研究では目立った増加はみられなかった。一方で、リジンから1段階進んだカダベリン生産においては、トランスポーターの抑制の解除の効果が大きく現れた。代謝経路に関する様々な遺伝子の発現量を測定したところ、特に目立った変化はみられず、この阻害の解除は遺伝子発現以外の因子が影響していることが示唆された。一方で、大腸菌においても同様の検討を進めた。こちらではEntner-Doudoroff経路(ED経路)を中心として発現量が大きく変動している遺伝子をいくつか見出すことができた。また、その一方でこれら取り込みを阻害しているレギュレーターをシンプルに破壊するだけでは対象とする遺伝子の発現を誘発できないこともわかった。これは発現を抑制している因子が他にも存在することを示しており、またそれは複数の遺伝子に関与していることが示唆された。今後はこれらマルチ制御の因子の解明に向けて検討を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フィードバック阻害を解除した株の構築が順調に進んでいること、また他の制御因子との関連が徐々に見出されてきており、概ね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
破壊株ライブラリに対してスクリーニングを進めるとともに、制御因子との関連を見出していく。また物質生産についても検討を進める。
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