2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16H04587
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩崎 晃 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (40356530)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | ハイパースペクトルデータ / データ処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
ハイパースペクトル(超多波長)センサで取得された地球観測データは、波長間で相関が高い疎な状態であるが、その処理を軌道上で実施するためのアルゴリズムを開発し、異常検知や地表面把握のための情報抽出を行うことで、データ量を削減することが可能である。本研究では、統計的性質に基づくデータ駆動型および物理化学的性質に基づくモデル駆動型の両面からアルゴリズムを発展・融合させ、なるべく超多波長データの情報量を落とすことなく、データ量を削減するソフトウェアを作成することを目的としている。 モデル駆動型アルゴリズムの研究では、地表面のスペクトル情報に比べて、ハイパースペクトルセンサの分解能が高すぎる一方、ノイズが多くなっていることに注目して、Fused Lasso法の適用を行った。これは、スペクトルのように特徴量に順序があり、隣接した係数を同じ値になるように束縛項を設けることでデータを削減する手法であり、ハイパースペクトルデータを活用する上で物理化学的な解釈を導入することができる。バイオマスの推定に適用し、その有効性を示した。 データ駆動型アルゴリズムの研究では、アンサンブル学習を用いたデータ分類手法の研究を進めた。これは精度が高いにもかかわらず、計算コストが低いという利点を有している。分類結果を空間的に最適化するための前処理手法の検討を行い、総合的な見地からアンサンブル学習法の性能を向上させる試みを行った。特に、正準相関法を取り込むことで、教師データとサンプルの情報関係を強くした。同時に、空間情報を取り込むために、マルコフランダムフィールドや拡張マルチアトリビュートプロファイルと提案手法の相性の良さを示し、統合的な枠組みを構築した。本手法をハイパースペクトルデータに適用した結果、従来手法を上回る結果を得ている。 同時に無人飛行機を用いた地上撮像データを取得し、上記のアルゴリズムの適用を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アルゴリズムの開発においては予定を上回る成果が得られている。一方、ハイパースペクトルカメラについては、当初予定していた波長範囲を包含するものが販売されていないため、別のタイプのカメラを使用することになり、データ作成において遅延が見られる。
|
Strategy for Future Research Activity |
データ駆動型およびモデル駆動型アルゴリズムを組み合わせたハイブリッドアルゴリズムを開発すべく、それぞれの特性を明確にするとともに、頑強性の観点からさらなる研究を進める。
|
Research Products
(5 results)