2016 Fiscal Year Annual Research Report
室内実験とAE波形解析による水圧破砕で造成される亀裂評価手法の開発
Project/Area Number |
16H04614
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
直井 誠 京都大学, 工学研究科, 助教 (10734618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 毅 京都大学, 工学研究科, 教授 (10232307)
陳 友晴 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教 (80293926)
川方 裕則 立命館大学, 理工学部, 教授 (80346056)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アコースティック・エミッション / 水圧破砕 |
Outline of Annual Research Achievements |
水圧破砕法は,地下資源の埋蔵域に亀裂を造成することで生産性を回復・向上させる方法として重要な役割を担っている.破砕による亀裂造成の監視・推定は,通常,微小地震観測によって行われるが,亀裂造成プロセスと微小地震の関係はよくわかっておらず,亀裂造成状況が適切に推定できていないとみられる場合も多い.本研究では,一軸圧縮下における室内水圧破砕実験を行い,発生する微小破壊の波形データを地震学的な手法で解析することで特徴付けを行う.結果を顕微鏡観察で明らかにした造成亀裂の微細構造と比較・整理し,造成亀裂を微小地震の波形データから適切に推定する手法を開発する. 本年度はAE収録システムのアップデート,収録プログラムの開発を行い,14 bit, 10 MS/sの16 ch連続収録が実施できる環境を構築した.実験後,イベント切り出し・走時読み取り・震源決定を自動で処理できる環境を整えた.水圧破砕実験は,山口県産の黒髪島花崗岩7個と井内頁岩8個に対して行い,上記の自動処理によるイベントカタログ作成に加えて,相対震源決定手法の適用,並びに破砕後に蛍光法による造成亀裂の直接観察を実施した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
収録システムの構築,基本的な解析プログラムの整備については,概ね計画通りに進捗している.本年度実験を行った花崗岩供試体においては,P波速度異方性が微小既存き裂の卓越方向に対応することが知られていることから,最も既存亀裂が卓越する方向(いわゆるRift plane方向)が鉛直なものと,水平なものの二種類を用意して実験を行った.その結果,流体圧の時間変化やAE発生域の広がりに顕著な違いが認められた.今後,より高度な波形解析を実施するにあたって,これら二種類の供試体で違いが現れるかどうかが,解析の妥当性を判断する材料になる可能性がある.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,本年度得られたデータを用いて,モーメントテンソル解析などのより高度な解析を実施する予定である.また,本年度用いた狭帯域型ではない,広帯域型のAEセンサを併用することで,スペクトル法を用いたコーナー周波数解析などの,より高度な解析を実施する予定である.
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Research Products
(2 results)