2017 Fiscal Year Annual Research Report
Suppression of Hydrogen Isotope Absorption into Co-deposited Layer by using Nitrogen Scavenger
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16H04618
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
上杉 喜彦 金沢大学, 電子情報学系, 教授 (90213339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石島 達夫 金沢大学, サステナブルエネルギー研究センター, 教授 (00324450)
田中 康規 金沢大学, 電子情報学系, 教授 (90303263)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 水素同位体吸蔵 / レーザブレイクダウン分光法 / LIBS / プラズマ壁相互作用 / 核融合周辺プラズマ / 不純物堆積膜 / 共堆積膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、レーザブローオフによる多様な金属膜生成とレーザ誘起ブレイクダウン分光法(LIBS)による堆積膜組成分析および吸蔵水素量の評価に関する研究を実施し、以下の成果を得た (1)YAGレーザを用いたレーザブローオフにより水素、重水素及びヘリウムプラズマ中に鉄、タングステン不純物を導入し、シリコン基板上に数十nmの不純物堆積膜を生成できることを確認した。(2)生成された共堆積膜のLIBS分析によりプラズマ中に導入された金属不純物を十分な感度を持って検出できることを確認した。また、同時に吸蔵水素を検出できることを確認した。(3)島根大学宮本准教授の協力の下、TDSにより吸蔵水素量の評価を行い、LIBS分析により評価した吸蔵量と定性的な一致を見た。(4)堆積膜量の増加とLIBS分析精度向上のために、装置一式を垂直ポートから接線ポートに移動し、タングステンターゲットを用いて~100 nmの堆積膜を再現性よく生成できることを確認した。また、同時にLIBS分析用のファイバーケーブルおよび分光器配置を変更しLIBS分析感度が3倍ほど向上した。(5)レーザブローオフによる不純物膜堆積をより安定させるために傾斜ターゲットとターゲットのモーター駆動をできる様に準備した。(6)核融合科学研究所との共同研究によりLHDグラファイトタイルのLIBS分析を行い、タイル表面に堆積した金属不純物群の相対的堆積料の評価を行い、公表されている他の分析結果と定性的な一致を見た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
レーザブローオフにより核融合プラズマ中における不純物を想定した多様な不純物導入およびレーザ誘起ブレイクダウン分光法(LIBS)による堆積膜組成分析装置を構築し、水素または重水素と導入された不純物の共堆積膜を生成する実験系を整備した。初期実験から堆積膜の組成分析および吸蔵水素量の定性的評価が出来ることを確認した。ただし、装置ポートの関係でレーザブローオフによる不純物堆積膜厚が十分でなく、またレーザショット間のばらつきも大きいことから装置一式を接線ポート側に移動し、~100nmの不純物膜を安定して生成できることまで確認している。 以上のことから、今年度、改良した実験装置を用いて研究目的の達成に向けた実験研究が進展すると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、いかの項目に関する研究を進める。 (1)改良したレーザブローオフ不純物導入系を用いて多様な不純物(タングステン、鉄、モリブデン、アルミ等)導入時の不純物膜生成特性を評価する。(2)単一金属不純物導入時の不純物・重水素共堆積系での重水素吸蔵実験を行い、重水素吸蔵特性のパラメータ依存性(試料温度、運転履歴等)を明らかにする。(3)複合金属不純物導入時の不純物・重水素共堆積系での重水素吸蔵実験を行い、重水素吸蔵特性のパラメータ依存性(試料温度、運転履歴等)を明らかにする。(4)上記(2)、(3)の実験時に堆積膜表面および膜中の原子間ポテンシャルを変化させるために窒素や酸素等のガス不純物を重水素プラズマ中に導入し、堆積膜物性の変化をSEM-EDX、XPS分析により評価する。(5)水素化炭素膜堆積に対する窒素スカベンジャー効果が、金属およびガス不純物・重水素共堆積膜系における重水素吸蔵の抑制にも寄与するか、実験的に検証する。(6)一連の研究成果をまとめ、国内外の学会において発表するとともに学術雑誌に公表する。
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Research Products
(5 results)