2017 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of late blooming phases on radiation induced hardening in pressure vessel steels
Project/Area Number |
16H04633
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
渡辺 英雄 九州大学, 応用力学研究所, 准教授 (90212323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 康寛 岩手大学, 理工学部, 教授 (00294025)
安永 和史 公益財団法人若狭湾エネルギー研究センター, 研究開発部, 主任研究員 (20404064)
山本 琢也 福井大学, 附属国際原子力工学研究所, その他 (50212296)
木村 晃彦 京都大学, エネルギー理工学研究所, 教授 (90195355)
大澤 一人 九州大学, 応用力学研究所, 助教 (90253541)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 照射脆化 / 溶質原子クラスター |
Outline of Annual Research Achievements |
高経年化原子炉の廃炉への動きが急速に進むに従い、原子力が基盤電力として役割を果たすには、原子炉の更なる高経年化への対応が不可欠となる。不純物である銅濃度に依存する脆化機構の解明とそれに基づく材料の安全性評価は、炉の安全性や地域社会に科学的な根拠から明確に示す上で重要な課題であると考える。本研究では、中性子やイオン照射により形成された各種クラスターをRI管理区域内に形成された収差補正機能を有する電子顕微鏡にて組織を観察すると同時に装置に付属するエネルギー分散型の分析装置(EDS)によりクラスターの分析を実施した。試料としては、九大にて作製した各種のモデル合金に加え、現在廃炉措置が進行中の中部電力(株)浜岡1号炉モックアップ材料(超音波による検査用の材料;炉と同時期・同方法により溶接や熱処理が施されている)から試験片を切り出し、照射用の試験片に加工したのち、九州大学応用力学研究所が所有するタンデム型加速装置にて290℃にて照射した。照射後の硬さ変化は、IVAR計画等の先行研究で報告されている銅濃度の異なる材料群のうち、銅濃度が近いLH材(0.1%Cu)と同様の結果を示した。低照射領域(~0.2dpa)の組織観察を実施した結果、転位ループや溶質原子クラスターの存在が確認されなかった。転位ループや銅クラスターの生成が顕著でない、高フラックス低照射領域では、導入された空孔クラスターが硬さ変化の重要な因子であると推測される。1.0dpa照射後の試験片のアトムプローブ測定を実施したが、同様な組成をもつ圧力容器鋼に同程度の照射を行った場合とは異なり、Cu、Ni、Mn、Siなどを含む析出物は観察されなかった。観察を行った領域での局所的な低Ni低Mn組成がその原因となった可能性がある。鉄中の刃状転位と空孔クラスターとの相互作用を分子動力学計算(MD)を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
照射試験装置並びに材料評価装置である電子顕微鏡が順調に稼働し、研究成果の学会での発表も進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きこれまでのモデル合金並びに廃炉措置中の浜岡原子炉モックアップ材の照射並びに照射後の組織・硬さ変化の状況を把握すると同時にこれまで実施してきた母材ののみならず表面(クラッド部)並びにクラッド部と母材との溶接界面の状況について引き続き実施予定である
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Research Products
(10 results)