2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of isotope-selective resonance ionization scheme for visualization of radioactive strontium
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16H04639
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
岩田 圭弘 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (20568191)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮部 昌文 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 福島研究開発部門 福島研究開発拠点 廃炉国際共同研究センター, 研究主幹 (20354863)
伊藤 主税 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 高速炉研究開発部門 大洗研究開発センター 福島燃料材料試験部, 課長 (90421768)
長谷川 秀一 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (90262047)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | ストロンチウム / 同位体選択性 / 共鳴イオン化 / 干渉フィルター / 狭線幅 / 安定性 / エタロン / 原子・分子物理 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
ストロンチウム90（90Sr）は体内被ばくの原因となる長半減期のβ崩壊核種であり、安定同位体88Srの中性子数が魔法数にあたることから、環境計測・原子核データの両面で重要な核種である。本研究では、イオントラップを用いた極微量90Srの可視化に向けて、高い同位体選択性を持つSr共鳴イオン化スキームの開発が主な目的である。
平成29年度は、Sr原子の1段目及び2段目の共鳴励起に使用する波長689.4 nm及び688.0 nm干渉フィルター型外部共振器半導体レーザーを製作した。共振器内のキャッツアイ構造により、従来の回折格子型と比較して角度方向の安定性に優れている。並進方向については、0.1 mm以下の精度で部分反射ミラー表面に集光するようにしたところ、レーザーダイオード電流の増加とともにマルチモードに移行した様子が観測された。フィードバック光量を抑えるため集光点を調整し、動作電流下でシングルモード発振を確認した。また、波長487.6 nm回折格子型外部共振器半導体レーザーを製作し、レーザー3台を用いてSr原子のブロードな自動電離準位に遷移させる共鳴イオン化スペクトルを取得した。さらに、レーザーの波長制御及び簡易的な線幅評価のため、ミラーホルダー2個を対向させた共焦点型エタロンを製作した。使用した凹面ミラーは曲率半径500 mmかつ波長688-690 nmで反射率99.5%の仕様であり、この波長域におけるフリンジ幅は500 kHz程度の計算となる。参照レーザーとして波長633 nmのHeNeレーザーを導入し、フリンジ信号を観測した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は3年間の研究計画の2年目であり、①干渉フィルター型外部共振器半導体レーザーの開発、②波長制御系の構築、③共鳴イオン化スキームの探索の3点を着実に進めていくことが主な目的である。①はほぼ完了し、②はミラーホルダー2個を対向させたエタロンの設計・製作及びHeNeレーザーを用いたテスト測定を実施し、③は候補となるスキームの一つについて共鳴イオン化スペクトルを測定した。以上により、当初の計画に沿っておおむね順調に進展していると判断した。
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| Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、平成29年度に引き続き①波長制御系の構築、②同位体選択性の高いスキームの探索及び同位体選択性の評価の２点を主に実施し、最終的に極微量90Srの可視化に向けた高い同位体選択性を持つSr共鳴イオン化スキームの構築を目指す。
平成29年度にエタロンの基本設計はほぼ完了しており、波長域によってはフリンジ信号を観測しているため、アライメント精度に注意して①は問題なく実施可能と考えられる。②は2段目に波長470 nm又は490 nm近辺の共鳴遷移を利用して3段目に波長405 nm又は395 nm近辺の自動電離準位に遷移してイオン化するスキームを試し、最終的に当初の目的である同位体選択性が高く効率の良いSr原子の共鳴イオン化スキームの構築を行う。
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