2016 Fiscal Year Annual Research Report
Mesoscopic investigation of nuclide sorption behavior on clay minerals by X-ray and neutron scattering
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16H04640
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
遠藤 仁 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 准教授 (40447313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
元川 竜平 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 物質科学研究センター, 研究副主幹 (50414579)
斉藤 拓巳 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (90436543)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | バックエンド / 地層処分 / 粘土鉱物 / 水のダイナミクス / X線小角散乱 / 中性子準弾性散乱 / 中性子散乱 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請課題では、高レベル放射性廃棄物の地層処分において重要となる粘土鉱物を対象に,X線小角散乱法及び中性子準弾性散乱法を用いてナノメートルからサブミクロンのメゾスコピックな長さスケールにおける構造解析ならびにその中の水の動的性質を解明し、粘土鉱物中の核種の収着・移行評価を分子論的に理解することを目的としている。 初年度にあたる当該年度に於いて、KEK放射光施設Photon FactoryのX線小角散乱(SAXS)装置にビームタイム申請を行い、採択され、12月に最初の実験を行った。試料として、実際に地層処分に用いられるベントナイトを圧密し、水で膨潤させたものを調製し、各種陽イオン(Na, K, Ca, Mg)に対する構造変化を評価した。この試料は実際に使用する状況とほぼ同じ状態である。実験の結果、核種により構造に明確な違いがあることが判明し、具体的には、平板が積層した構造を取っている粘土鉱物の層間距離と積層状態が、、層間に取り込まれる核種により大きく変化することを見出した。現在、理論解析を用いての定量的な評価を行っている。 また、この結果を踏まえて、粘土中の水の動的性質を評価するための中性子準弾性散乱実験を行うため、J-PARC MLFのBL02中性子後方散乱分光装置に申請を行い、次年度の実験に採用されたので、中性子散乱実験用の試料の調製条件などの検討および一部調製を開始し、次年度の実験に備えることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度では、X線小角散乱実験を実施し、粘土鉱物の構造の決定を行い、次年度における中性子準弾性散乱実験に繋げていく予定であった。当該年度において、KEK放射光施設において実験が採択され、実験を実施し、粘土鉱物の構造決定を行うことができた。また、そこで得られた知見を用い、来年度におけるJ-PARCにおける中性子準弾性散乱実験の申請を行い、採択されたので、当該年度中に中性子散乱実験用の試料の検討と調製を開始することができた。従って、申請書に書いた初年度の予定をほぼ全て実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、中性子準弾性散乱実験を行い、粘土鉱物中に拘束された水の拡散挙動を評価することが目標である。上述の通り、J-PARCにおける中性子準弾性散乱実験装置のビームタイムを確保し、5月に実験を実施する予定である。得られた結果を踏まえて、年度後半にもう一度実験が実施できるように準備を進める予定である。また、追加のSAXS実験も併せて実施し、最終目的である「粘土鉱物のメゾスコピック構造と核種のマクロスコピックな移行現象との相関」に関してより確度の高い実験データを取得する予定である。
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