2017 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the increase in gas-hydrate generation speed by optimization of three phase interface structure
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16H04642
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
小原 伸哉 北見工業大学, 工学部, 教授 (10342437)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 二酸化炭素ハイドレート / 生成速度 / ガスハイドレート生成触媒 / モデリング / 熱サイクル |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度については以下の研究を実施した。1)ガスハイドレートの生成速度を活性化する触媒層の界面構造と、ガスハイドレートの生成反応および解離反応についてフガシティモデル(Englezos et al, Che. Eng. Sci, 75, 1997)、物質移動モデル(Matthew et al, Che. Eng. Sci, 60, 2005)、野尻・佐藤(東京大学修士論文,2014)のモデルに基づいてモデリングした。この結果、ガスハイドレートの生成および解離過程の状態変化を一定の精度で予測できるようにした。しかしながら、未知のパラメータの存在があるものと予想され、この扱いについて多くの時間を使って調査した。2)ガスハイドレートの生成は氷点近傍の水中で大きく成長し、この生成反応は発熱を伴うことから、三相界面での温度場に伝熱制御を導入して管理した。三相界面での伝熱制御方法を解明するために、高精度の赤外線サーモグラフィーにより触媒層の熱の状態を把握できるように工夫した。温度場が低温であるため、熱電対などの他の温度測定結果と比較することで試験を繰り返した。3)ガスハイドレートを媒体とする理論熱サイクルおよびエネルギー貯蔵の性能を、実験結果に基づいて推察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度の進捗状況は以下のとおりである。 研究計画 1):ガスハイドレートの生成速度を活性化する触媒層の界面構造と、ガスハイドレートの生成反応および解離反応についてフガシティモデル(Englezos et al, Che. Eng. Sci, 75, 1997)、物質移動モデル(Matthew et al, Che. Eng. Sci, 60, 2005)、野尻・佐藤(東京大学修士論文,2014)のモデルに基づいてモデリングし、ガスハイドレートの生成および解離過程の状態変化を一定の精度で予測できるようになった。一方、作成したモデル内のパラメータだけでは説明がつかない部分があり、この扱いについて仮説を立てて説明することとした。 研究計画 2):ガスハイドレートの生成は氷点近傍の水中で大きく成長し、この生成反応は発熱を伴うことから、三相界面での温度場に伝熱制御を導入した。三相界面での伝熱制御方法を解明するために、高精度の赤外線サーモグラフィーにより触媒層の熱の状態を把握できるように工夫した。しかしながら温度場が低温であるため、赤外線サーモグラフィーだけでは高い精度を得られないので、熱電対などの他の温度測定結果と比較することで試験結果を得た。 研究計画 3):ガスハイドレートを媒体とする理論熱サイクルおよびエネルギー貯蔵の性能を、実験結果に基づいて推察することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後(平成30年度)の研究の推進方策は以下のとおりである。 1)ガスハイドレート(二酸化炭素ガスハイドレート)の状態図上で得られる理論熱サイクルについて、実験による熱サイクル性能の確認と理論熱サイクルとの差が生じる理由の調査を進める。 2)ガスハイドレートを介した解離膨張特性で得られる圧縮ガスのエネルギー貯蔵密度と、ガスハイドレートによるエネルギー輸送量の実験を行うことで、ガスハイドレートによるエネルギー貯蔵及びエネルギー輸送のモデリング式の妥当性を検証する。 3)研究成果を学術講演会、国際会議、論文で公表する。 また、研究が当初計画どおりに進まない場合に、ガスハイドレートの生成プロセスに関わるモデリングで不具合が生じているため、実験による実測値を与えることで整合性が得られるモデルに修正する。また、ガスハイドレートの理論熱サイクルと実際の熱サイクルに大きな差が生じていることからその理由を調査するとともに、熱サイクルの応用分野をさらに広く探索することでその有用性を確認する。
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