2017 Fiscal Year Annual Research Report
高温太陽集熱による流動層ガス化水素製造システムの開発
Project/Area Number |
16H04645
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
郷右近 展之 新潟大学, 研究推進機構, 准教授 (20361793)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 忠明 新潟大学, 自然科学系, 教授 (10211286)
金子 宏 宮崎大学, 工学部, 教授 (90323774) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 高温太陽熱 / 水素 / ガス化反応器 / 流動層 / 反応媒体 / 連続供給系 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では大型太陽集光システムで得られる~1000℃の高温太陽集熱を利用し、炭素資源を反応器の連続供給しながら高温熱でガス化を行う「連続供給型の流動層ソーラーガス化水素製造システム」の開発を目的としている。 平成29年度は、小型石英窓型ガス化反応器の運転条件の最適化と集光照射加熱によるガス化試験を行った。すなわち、反応器への投入集光エネルギーとガス化速度の関係、流動媒体の粒径と流動性の関係、ガス化前処理過程の加熱条件と流動層温度・ガス化効率の関係について調査した。これらの結果を基にガス化速度とバランスする炭素資源の供給速度を算出し、反応システム運転のための基礎データを得た。さらに反応器の分散板の熱耐久性と流動化ガス削減を目的として、新設計の多孔を有する平板型分散板を設計し、集光加熱条件下で性能評価を行った。その結果、流動化ガスの削減に成功し、新設計の分散板は熱耐久性にも優れていることから、大型反応器による流動層ガス化に有効であることを実験的に明らかにした。 また、反応器のコールドモデルによる検討、すなわち流動媒体・石炭コークスの流動性能試験・反応器の圧力損出評価、に基づき製作したプロトタイプ反応器に、炭素資源の連続供給系を組み込み、反応器システムを試験した。ガス同伴により石炭コークスが流動層に連続供給できることを実験的に明らかにした。また、プロトタイプ反応器はバッチ式にて集光照射加熱によるガス化試験を行い、炭素資源連続供給下にて流動層ガス化が十分期待できることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
反応器のコールドモデルによる検証に基づき、炭素資源の連続供給系を有するプロトタイプの流動層ガス化反応システムが稼働し、集光加熱条件下において800℃以上の流動層温度・合成ガス温度が得られている。ガス化反応についても、小型反応器で新採用した多孔平板型分散板がガス化条件のもとで有効に機能し、流動化/反応ガス流量を低減させつつ集光照射加熱の下で流動層ガス化反応を連続的に行える見通しが立っている。
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Strategy for Future Research Activity |
炭素資源の連続供給系を有するプロトタイプの流動層ガス化反応システムの運転条件の最適化と他種の炭素資源についても連続供給系が機能するか、反応システムが機能しガス化を行えるかについて検討する予定である。
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