2019 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリアを介した体内時計ニューロンの制御メカニズム
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16H04651
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
池田 真行 富山大学, 大学本部, 理事・副学長 (10288053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 正明 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (80232198)
森岡 絵里 富山大学, 学術研究部理学系, 助教 (80756122)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 体内時計 / ミトコンドリア / Ca2+濃度 / H+濃度 / 時計遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに、hRPE-YC細胞において、ミトコンドリア内Ca2+インジケーター(Rod-2AM)とケージドCa2+(NP-EGTA-AM)を用いて、UVフォトリシス実験を行い、ミトコンドリアCa2+取り込みを定量化することに成功していた。また、LETM1ノックダウンが ミトコンドリアのCa2+取り込みを半減させることも明らかにしていた。そこで研究期間の最終年にあたり、分子時計振動とミトコンドリアCa2+の関係を明らかにするために、hRPE-YC細胞とラットSCNニューロンの概日時刻に依存したミトコンドリアCa2+取り込みを評価し、そのいずれにおいても時刻依存性が存在することを明らかにした。さらに、hRPE-YC細胞のミトコンドリア内プロトン濃度をmt-Pericamセンサーを用いて評価し、ミトコンドリア内の概日pHリズムについても明らかにした。この現象は、プロトンセンサー(deGFP4)を発現させたキイロショウジョウバエの時計ニューロンでの解析結果と一致している。一方で、LETM1の遺伝子発現には明瞭な概日時刻依存性はみられず、よってLETM1を介したイオントランスポートに起因すると考えられるCa2+/H+濃度の概日リズムは、LETM1転写レベルに依存しないものと考えられる。mt-Pericamセンサーを発現させたhRPE-YC細胞から単離したミトコンドリアについて、その熱量応答やCa2+/H+を解析したが、単離したミトコンドリアでは概日性のリズムは観察されなかった。つまり、ミトコンドリアの概日振動の形成には、核由来の振動要素(時計遺伝子Bmal1など)が不可欠であると考えられる。これらの研究成果は日本時間生物学会で発表され、現在その内容を国際原著論文に投稿準備中である。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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