2017 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular mechanism of neuronal network regeneration in the adult mouse brain
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16H04672
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村松 里衣子 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (90536880)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 白質 / 脱髄 / 脊髄 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳の神経回路の修復が自発的に起こるメカニズムについて探求した。脳の神経回路の大部分は有髄神経回路であり、神経軸策の周囲を髄鞘がまきついてできている。髄鞘はグリア細胞の一種であるオリゴデンドロサイトからなるが、脳内に備わるオリゴデンドロサイトの前駆細胞が盛んに増殖し、遊走して成熟細胞へと分化することが必要である。本課題では髄鞘の修復メカニズムについて、特に脳の外部環境との関連に着目し、今年度は複数のメカニズムを示唆することができた。 一つ目に、膵臓より分泌される因子が、オリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖を促すことを見出した。特に、Fibroblast growth factor(FGF)21がオリゴデンドロサイト前駆細胞に発現するbeta-klotho受容体を介して、細胞の増殖能を高めること、そしてその結果髄鞘の修復を促進させることをマウスの病態モデルおよびヒト培養オリゴデンドロサイト前駆細胞の実験で見出した。また、FGF21が、オリゴデンドロサイト前駆細胞の遊走や成熟細胞への分化は促進させない結果燃えられた。 二つ目に、筋肉に由来する分子もオリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖を促進させることを、マウスの培養実験系で見出した。この研究においては、そのメカニズムにかかわる分子を探索するため、コントロール細胞との網羅的な遺伝子発現比較を行い、複数の候補分子を見出すことができた。一方で、筋肉に由来する分子は、オリゴデンドロサイトの増殖や分化を促進させない様子も観察された。今後、候補となる分子のうちいずれが筋肉から放出されオリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖を高めるか検討し、in vivoでの機能も解析していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画は、単独の臓器による単一分子の作用を解明することを予定していたが、複数の臓器から、それぞれ別々の分子が髄鞘修復に寄与するという手がかりが得られたため。
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Strategy for Future Research Activity |
筋肉由来のオリゴデンドロサイト前駆細胞増殖効果を持つ因子を同定する。まずマウスのオリゴデンドロサイト前駆細胞の培養系を用いて、候補分子の精製物を暴露させて、細胞増殖が高まるかを検討する。候補分子が同定されたら、その分子に対する受容体がオリゴデンドロサイト前駆細胞に発現しているか検討する。さらに、同定因子の機能をin vivoで検討するため、マウス病態モデルに同定因子を処置して、髄鞘修復効果を検討する。組織学的な修復が認められた場合は、行動試験も進め、同定した因子によって神経機能も改善するかを追及する。
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