2018 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular mechanism of neuronal network regeneration in the adult mouse brain
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16H04672
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
村松 里衣子 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 神経薬理研究部, 部長 (90536880)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 脱髄 / 血液脳関門 / 多発性硬化症 |
Outline of Annual Research Achievements |
様々な疾患に罹患し脳と脊髄からなる中枢神経系が傷つくと、傷ついた部位に応じて多様で重篤な症状があらわれる。症状はわずかではあるが自然回復するが、それは病巣で細胞死を免れた神経細胞やグリア細胞が、失われた機能を代償する神経回路を再建したためと理解されている。かつては、自然に修復することはないと考えらえていた中枢神経系の神経回路も、様々なレベルで自然に修復する様子が示されてきた。神経回路の修復には複数の過程が必要であるが、機能的な修復をもたらすためには髄鞘の修復が必須である。本研究課題では髄鞘の修復機構について、研究を行った。 これまでに研究代表者らは脳の髄鞘の修復が脳の外部環境により制御されることを見出しており、中でも血液に含まれる分子に、髄鞘の修復を促す作用をもつものがある様子を観察している。髄鞘は、脳の組織幹細胞であるオリゴデンドロサイト前駆細胞が、増殖し、さらに成熟細胞へ分化することで完成する。このオリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖と分化について検討を行い、増殖に関しては筋肉から分泌される分子の働きを見出した。また分化については、脾臓に豊富に蓄えられ、血小板により運搬されるTGF-betaが、脳内に流入した際にオリゴデンドロサイト前駆細胞の分化を促進させることで髄鞘修復へ寄与することが示唆された。 中枢神経回路の修復研究は、脳の内部の細胞・分子の作用を検証する形で研究が進めらえてきたが、今回の結果から、脳の外部環境も脳の組織修復を制御するという新しいコンセプトが示された。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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