2018 Fiscal Year Annual Research Report
Imaging analysis of synaptic vesicle functions using fluorescent probes
Project/Area Number |
16H04675
|
Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
高森 茂雄 同志社大学, 脳科学研究科, 教授 (10397002)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 神経伝達物質・受容体 / シナプス小胞 / シナプス伝達 / 蛍光イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
神経終末からの神経伝達物質の放出は、シナプス小胞の開口放出によって行われるが、小胞の動態は細胞内反応であるがために測定方法に限界があった。本研究では、pH感受性蛍光タンパク質をシナプス小胞に適用して、神経伝達物質のシナプス小胞再充填機構、シナプス終末のイオン環境がシナプス小胞再充填に及ぼす効果、非典型的SNAREタンパク質のシナプス伝達への寄与について詳しく検証した。その結果、(1)興奮性伝達物質であるグルタミン酸と抑制性伝達物質であるGABAの再充填機構と速度には大きな違いあり、駆動力であるプロトンの状態を変化させると神経回路全体の活動が変容しうること、(2)シナプス小胞には高親和性Ca2+/H+交換輸送活性があり、その活性はこれまでシナプス小胞膜上のCa2+輸送体と目されていたSV2タンパク質とは別のPMCAというタンパク質が担っていること、(3)エンドソーム型SNAREタンパク質の一つであるSyntaxin-7の働きによって動員されるシナプス小胞が決められていること、などの新しい知見を得た。近年、シナプス伝達の破綻がてんかんや自閉症、統合失調症などの脳疾患を引き起こすことがわかってきた。したがって、今回得られた知見は、いずれもシナプス伝達の仕組みを分子レベルで理解する上で有用であり、将来的には脳疾患の発症メカニズムの理解や、脳疾患治療の際の創薬ターゲットとしての活用が見込まれる。これらの研究成果は、雑誌論文計8件 (PNAS誌、Sci Rep誌2篇を含む)、学会発表計22件(うち10件が口頭発表)にて公表した。
|
Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(12 results)