2016 Fiscal Year Annual Research Report
癌転移開始細胞におけるCD280の生物学的役割の解明と癌転移診断や治療への応用
Project/Area Number |
16H04697
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
武井 佳史 愛知学院大学, 薬学部, 教授 (70362233)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 癌転移 / 癌転移開始細胞 / 治療 / 胃癌 / 前立腺癌 / 結腸癌 / 膵臓癌 / 同所性移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
癌転移開始細胞(Metastasis-initiating cell, 以下MIC)は、原発癌に巣喰う微量な細胞集団で、癌転移を積極的に仕掛ける。「MICの制圧」は癌転移抑止に必須であるが、MICの特異抗原が不明である等、未解明な点が多い。我々は独自のスキルス胃癌株の正所性移植癌転移モデルの解析から「CD280がMIC特異抗原の候補」である予備知見を得た。この成果を基に以下の3点を目的に掲げる。①様々な癌種からMICを単離し、そのCD280をゲノム編集でKOし、癌転移におけるCD280の生物学的意義を解明する、②CD280がin vivoで癌転移抑止の分子標的と成り得るか否かを検討する、③癌患者の血中循環癌細胞を対象にCD280が癌転移予測のバイオマーカーと成り得るか否かを検討する。以上の3点を明らかにするところまでを目的とする。 本年度の検討では、我々が確立した独自の手法で、各種患者癌組織からMICを単離することから着手した。前立腺癌や胃癌患者の癌組織を出発材料にして、MICを単離した。即ち、癌組織をコラゲナーゼ等で分散させた後、癌幹細胞専用培地(米国ProMab社)で培養後(いわゆるSphere culture)、BALB/c nude mouseに対して正所性に移植した。その後、転移巣からMICを樹立した。転移確率を上げるため、正所性移植を反復した。 続いて、各種癌種由来のMICについて、CD280をゲノム編集でKOする作業を開始した。現在、CD280をKOするためのsgRNAを決定し、ゲノム編集効果確認の締めの実験(シークエンス解析)を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度において、研究実施計画書に記載した実験をひとつずつ実施し、おおむね良好な実験結果を得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度において、研究実施計画書に記載のとおり、ゲノム編集でCD280をKOしたMICのフェノタイプ解析に進み、データを積み上げていく予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Vascular endothelial cell injury is an important factor in the development of encapsulating peritoneal sclerosis in long-term peritoneal dialysis patients.2016
Author(s)
Tawada M, Ito Y, Hamada C, Honda K, Mizuno M, Suzuki Y, Sakata F, Terabayashi T, Matsukawa Y, Maruyama S, Imai E, Matsuo S, Takei Y.
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Journal Title
PLoS One
Volume: 11
Pages: e0154644
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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