2018 Fiscal Year Annual Research Report
The active chromatin domain that is regulated by the non-coding RNAs in recurrent breast cancer
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16H04744
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
斉藤 典子 公益財団法人がん研究会, がん研究所 がん生物部, 部長 (40398235)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 非コードRNA / クロマチンドメイン / 細胞核 / 乳がん |
Outline of Annual Research Achievements |
乳がんのおよそ70%はエストロゲン受容体(ER)を発現するER陽性型で、その増殖は女性ホルモンであるエストロゲンに依存する。よって抗エストロゲン剤を用いた治療が効果的である。しかし長期治療中に、高い頻度で再発することが大きな問題である。 適切な遺伝子の発現は重要で、その異常はがんを含む様々な疾患に関わる。近年、タンパク質をコードしない非コードRNAが、遺伝子の発現、エピジェネティック制御に重要な役割を持つことが示されている。また、がんで検出されるDNA変異はタンパク質コードより非コード領域でより多く検出されている。従って非コードRNAの作用機序や高次生命現象における役割を理解することが重要である。 乳がんがエストロゲンに非依存的に増殖する能力を獲得し、治療抵抗性となって再発する過程を模したLTED細胞では、ERが過剰発現する。この際に、ESR1遺伝子座を含む広範なゲノム領域から、非コードRNA群エレノアが転写され、ESR1遺伝子座を取り囲むようにしながら核内にRNAクラウドを形成する。エレノアは、ERをコードするESR1遺伝子座のクロマチンに相互作用し、転写を活性化し、がん細胞の増殖を促進する。本研究では、この非コードRNAエレノアを介した転写活性化のメカニズムを深く追求することを目的とする。特にエレノアが転写されるクロマチン領域がドメイン構造を形成することや、そのドメインの活性化にいか関わるかについて詳細に明らかにする。 本研究は、非コードRNAが介する、新しい遺伝子の制御機序を提唱する画期的なもので、かつ、再発乳がんの診断や治療への道筋をつける、波及効果の高いものである。よって、核内非コードRNAの作動メカニズムを明らかにすることは、重要である。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(13 results)