2016 Fiscal Year Annual Research Report
炎症誘導に関わるシグナル伝達経路の構造生物学的解明
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16H04752
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
杤尾 豪人 京都大学, 理学研究科, 教授 (70336593)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | IL-18 / IL-37 / NMR / X線結晶構造解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
IL-37の結晶構造の決定に成功した。IL-37は二量体を形成していることがゲル濾過等でわかっていたが、結晶中でも二量体を形成していた。次に、二量体界面に変異を導入し、単量体化IL-37を調製した。IL-37と相互作用するとされる幾つかの受容体とIL-37の相互作用をNMR滴定実験やGSTプルダウン実験で検証した。その結果、相互作用は見られたものの、極めて弱かった。また、野生型に比べて単量体化したIL-37のほうが相互作用は強いことがわかった。但し、何れも、極めて弱い相互作用であり、生物学的に有意かどうかは、一層の検討が必要である。
IL-18の前駆体であるPro-IL-18と、成熟型IL-18の熱安定性を調べたところ、Pro-IL-18のほうが安定であることがわかった。IL-18の類縁体であるIL-1βの場合は前駆体のほうが不安定であったことから、両者で大きく物理化学的性質が異なることが明らかとなった。また、IL-18の成熟反応で切り出されるペプチド領域が、IL-18の活性を阻害することを見出した。このペプチドをベースにして、炎症性疾患の治療薬を開発できる可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
IL-37の結晶構造解析を終えたほか、NMRを使った相互作用解析も順調に進んでいる。また、IL-18の前駆体の構造研究自体は難航しているが、IL-18の活性を阻害するペプチドを新たに発見し、創薬等への新たな展開が見込まれるため。
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Strategy for Future Research Activity |
IL-37と各種受容体の相互作用の検討を進める。また、他に、SMAD3がIL-37と相互作用すると報告されているので、これも検討する。
今回見出したIL-18の活性を阻害するペプチドとIL-18の結合様式を詳細に解析する。
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Research Products
(4 results)