2017 Fiscal Year Annual Research Report
炎症誘導に関わるシグナル伝達経路の構造生物学的解明
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16H04752
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
杤尾 豪人 京都大学, 理学研究科, 教授 (70336593)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 高速AFM / NMR / TIR |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、高速AFMを用いて、MyD88のTIRドメインとDeathドメイン(DD)の分子内相互作用を検証した。AFM画像において、MyD88分子の多くは、二つの極大部位を持った一つの塊として観察された。これらは、TIRとDDが分子内で強く結合した像だと考えられる。また、その他に、二つの粒子が並列した画像も得られたが、これらはTIRとDDが解離した状態のものだと思われる。分子内のTIR-DDのドメイン間距離を集計したところ、二つの正規分布の和でフィットできた。各々が、Open型およびClose型の分子に対応すると考えられる。 続いて、TIR-DD相互作用部位に変異を入れたところ、ドメイン間の距離分布は、Closed型のみとなった。以上の結果から、MyD88は分子内でTIRとDDが結合したClose型と、結合していないOpen型の二つの状態を取ることがわかった。このOpenとCloseのスイッチングがMyD88の活性制御に繋がる可能性があることが示唆された。
IL-18の活性阻害ペプチドについては、IL-18への結合に必須だと考えられるアミノ酸配列を同定した。また、in vivoにおいて炎症を軽減する効果があることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
MyD88全長について、分子内でドメイン間結合があることを見出し、MyD88の機能制御について新たな機序を提案することができた。また、IL-18の阻害ペプチドとIL-18の結合様式の解析も一定の成果をあげた。
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Strategy for Future Research Activity |
MyD88の多量化について詳細に解析する。IL-18の阻害ペプチドとIL-18の作る複合体、或いはPro-IL-18の詳細な構造解析を行う。また、IL-37については、結合相手(各種受容体、SMAD3)との相互作用実験を完了させる。
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Research Products
(2 results)