2020 Fiscal Year Annual Research Report
GPIアンカー側鎖とフリーGPIの生理的・病理的意義の解明
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16H04753
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木下 タロウ 大阪大学, 微生物病研究所, 寄附研究部門教授 (10153165)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 糖脂質 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、研究項目(2)「GPI側鎖を指標としたフリーGPIの動態と病理的意義の解明」に関して以下の進展があった。前年度までに、GPIトランスアミダーゼ欠損細胞ではN-アセチルガラクトサミン側鎖を持つフリーGPIが細胞表面に発現することを見出し、実際PIGT遺伝子変異による発作性夜間ヘモグロビン尿症(PIGT-PNH)の異常細胞では、N-アセチルガラクトサミン側鎖を持つフリーGPIが細胞表面に発現していることを証明した。さらに、異常細胞上では補体のレクチン経路が活性化するとともに、インフラマソームが容易に活性化されることから、患者血中IL18が高値で自己炎症症状を伴うことと関連していることを報告した。今年度は、生合成経路で3つ目のマンノースの転移に働くPIGB遺伝子の変異による発作性夜間ヘモグロビン尿症(PIGB-PNH)の症例をオランダの研究グループとの共同研究で見出し報告した。この症例でもPIGT-PNHと同様血中IL18が上昇し、自己炎症症状が見られた。また、PIGB-PNHのモデル細胞としてTHP1細胞株から作成したPIGBノックアウト細胞を用いてインビトロ実験を行った結果、細胞表面で補体レクチン経路が活性化され、インフラマソーム活性化によりIL1betaが分泌されることがわかった。このことはPIGB欠損細胞で蓄積するマンノース2つを持つGPI中間体が小胞体から細胞表面に輸送され、病態に関与することを示唆している。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(11 results)