2019 Fiscal Year Annual Research Report
CRISPR-Casエフェクター複合体の構造機能解析
Project/Area Number |
16H04759
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
沼田 倫征 九州大学, 農学研究院, 准教授 (10401564)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | CRISPR-Cas / III型CRISPR-Cas / crRNA / Casタンパク質 / エフェクター複合体 / Cmr複合体 / 原核生物獲得免疫 / ゲノム |
Outline of Annual Research Achievements |
CRISPR-Cas系は原核生物の獲得免疫系であり、crRNAとCasタンパク質から構成されたエフェクター複合体がウイルス核酸を分解してウイルスの感染を抑制する。III-B型エフェクター複合体は6種類のCasタンパク質(Cmr1からCmr6)とcrRNAから構成されている。本研究では、III-B型エフェクター複合体(以下、Cmr複合体)およびCmr1を欠いた複合体(以下、CmrΔ1複合体)の構造を比較するために、クライオ電子顕微鏡(クライオEM)を用いた単粒子解析により、これら複合体の構造決定を試みた。まず、Cmr複合体およびCmrΔ1複合体を調製した。サイズ排除限界クロマトグラフィーによる分析から、これら複合体がクライオEM解析に適していることが明らかとなった。次に、CmrΔ1複合体についてクライオEMデータを収集し解析した結果、分解能3.6Åの電子密度を得ることに成功した。これまでに得られていたキメラ型CmrΔ1複合体の立体構造(Osawa, 2015)を利用して原子構造モデルを構築し、立体構造を精密化した。今回、再構成したCmrΔ1複合体のアミノ酸配列は鋳型に用いたキメラ型CmrΔ1複合体のものとは異なるため、特にアミノ酸配列の保存性の低い領域の構造が大きく異なることが明らかとなった。CmrΔ1複合体にはcrRNAも結合しており、Cmrタンパク質とcrRNAとの相互作用機構が明らかとなった。Cmr複合体のクライオEM測定においても、良好なデータを取得できる条件を見出した。Cmr複合体については、今後、クライオEMデータを測定し、CmrΔ1複合体と同様に立体構造を決定する。両者の構造を精密化した後、両複合体の立体構造を比較して、これまでに推定していたCmr1の機能を明らかにする。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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