2019 Fiscal Year Annual Research Report
定量的メタロプロテオミクスが明らかにする細胞内金属イオンの恒常性維持メカニズム
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16H04768
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
古川 良明 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (40415287)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | SOD1 / 筋萎縮性側索硬化症 |
Outline of Annual Research Achievements |
銅・亜鉛イオンを結合したSOD1に過酸化水素を作用させると、Cys111のSHがSOHに酸化されるものの、タンパク質構造には大きな変化が見られなかった。しかし、酸化されたSOD1から銅・亜鉛イオンを解離させると、タンパク質構造が大きく揺らぎ、通常は遠く離れた位置にあるCys6のSHがCys111のSOHを求核攻撃することで、Cys6とCys111の間でS-S結合が形成した。つまり、酸化ストレスの増大と銅・亜鉛イオンの解離によって、2つのS-S結合を持った異常なSOD1(SOD12xS-S)が形成することを見出した。 正常なSOD1はホモ二量体として存在し、それぞれのサブユニットは8本のβ-ストランドからなる。そこで、SOD12xS-Sの構造的な特徴を見い出すために、フーリエ変換型赤外分光法、多角度光散乱、X線小角散乱により解析したところ、β-ストランドからなる構造を有していたものの、単量体化し、慣性半径が増加したコンフォメーションに変化していることがわかった。また、SOD12xS-Sを振盪すると凝集し、β-シート構造を有した不溶性の沈殿になったが、アミロイドに見られるような線維状の形態は確認されなかった。 また、SOD12xS-Sを運動ニューロン様の培養細胞であるNSC-34に添加すると、生細胞数が減少し毒性を示すことがわかった。金属イオンを結合していないアポ型SOD1もNSC-34に対して毒性を発揮するものの、これは培地に含まれる亜鉛イオンをSOD1がキレートするためであるとされている。実際、アポ型SOD1に亜鉛イオンを添加してからNSC-34に加えると、毒性は見られなくなった。一方で、SOD12xS-Sに亜鉛イオンを添加しても、NSC-34に対する毒性は変化しなかったことから、SOD12xS-Sは正常なSOD1にはない性質を有することがわかった。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(16 results)