2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of novel materials by design of artificial proteins
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16H04779
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
J・R・H Tame 横浜市立大学, 生命医科学研究科, 教授 (00336588)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池上 貴久 横浜市立大学, 生命医科学研究科, 教授 (20283939)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 人工タンパク質 / 構造解析 / ナノバイオテクノロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
人工設計タンパク質とは、既存のタンパク質のアミノ酸 配列をもとにせず、新規にアミノ酸配列を設計した人工タンパク質である。タンパク質を自由自在にデザインし、望みの構造や機能を創り出すことができるようになれはば、新規酵素や医薬品の開発、さらにはナノバイオテクノロジーの発展等にも大きく貢献できると考えられ、タンパク質工学研究の究極的目標である。しかし、20種類のアミノ酸をランダムに100残基つなげる場合、数多くの莫大な配列組み合わせがあり、その中から安定な構造や優れた機能を持つタンパク質の配列を探索することは極めて困難である。人工設計タンパク質の創製において、安定な構造や優れた機能を持つタンパク質の配列をいかにしてデザインし、選択するかは非常に本質的で重要な課題であるが、現在でも大変困難な問題である。本研究では、既存のタンパク質のドメイン構造から、コンピューターによる膨大な計算を行い、リング様およびケージ様に対称性を高めて、様々な金属イオンが結合できるような新規人工設計タンパク質を作製し、ナノバイオテクノロジーの応用を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
海底の熱水噴出孔などに生息する超高熱メタン菌Methanopyrus kandleri由来のPentaタンパク質を鋳型として、完全なる5回対称性新規人工設計タンパク質の作製を行った。五つのドメインからなる5回回転対称の人工タンパク質を設計する際の、鋳型として用いるため、精密な立体構造情報が必要ため、結晶構造解析を行った。Pentaタンパク質は大腸菌BL21株、pET28ベクターを用いて発現し、精製はNi-NTAカラム、SPカラム、ゲルろ過カラムによって行われ、最終精製サンプルとして、大腸菌1Lあたり1mgの目的タンパク質を得た。得られたタンパク質を使用して、結晶化実験、またX線回折実験を行い、構造解析のための回折データを得た。回折データはXDSで処理され、pheserMR、phenix.refineを用いた分子置換法にて解析が行われた。細密化の結果、結晶構造は分解能2.2Åで決定された。現在、ここで決定された結晶構造を鋳型として、完全な5回回転対称性を持つ人工タンパク質の作製が行われている。
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Strategy for Future Research Activity |
近年では人工タンパク質の設計研究は盛んに行われており,その成功例が増えてきている。本研究でも5回回転対称のもの以外にも,6回回転対称,8回回転対称の新規人工タンパク質の作製を試みており、さらなる応用研究として、これらの人工タンパク質を組み合わせ、より大きなタンパク質複合体を作り上げることを目指している。将来的には、これらタンパク質を微細な部品として利用したナノデバイスやセンサーなど、タンパク質を材料として活用することが期待される。
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Research Products
(8 results)