2016 Fiscal Year Annual Research Report
幹細胞から初期胚様構造を誘導するための新しい方法論の確立
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16H04799
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
永樂 元次 国立研究開発法人理化学研究所, 多細胞システム形成研究センター, チームリーダー (40415097)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 幹細胞 / イメージング / 自己組織化 / 分化制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、前年度に引き続き分化過程のマウスES細胞塊に対して様々な局所刺激を試みた。BMP4、Activin、Wnt agonistの各シグナル分子を培養2日目および3日目から局所添加し、刺激時間、濃度および濃度勾配形状の条件検討を行なった。その結果、再現よくprimitive streakを誘導する条件を絞り込む事が出来た。誘導された極性をもつ胚様体の分化状態を外胚葉、内胚葉、中胚葉の各分子マーカーの抗体を用いて染色し、ライトシート顕微鏡を用いて各マーカーの発現パターンを解析した。その結果、再現性よく初期胚様の構造体が誘導されている事が分かった。さらに誘導された立体構造を定量的に比較解析するための画像処理アルゴリズムの開発を行った。同時に、非染色で深部を長期観察できる計測装置の開発を顕微鏡メーカーと協力して行なった。新たに開発した顕微鏡を用いてイメージングデータを取得し、機械学習による分化予測アルゴリズムの開発を行った。その結果、以前に開発した方法よりも精度よく網膜組織への分化予測を行なえる事が分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定どおりに研究は進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまでに開発した各要素技術を組み合わせて、より精緻な分化システムの構築を試みる。具体的は、分化予測技術によって得た情報をもとに、局所刺激を行なう事で、再現性よく初期胚葉構造が得られる事を目指す。さらに、分化予測技術の精度を高めるために、DIC画像だけではなくカルシウムやATPなどのシグナル因子や非染色で得られる画像情報(時間変化やSHG)を利用する手法を開発する。
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Research Products
(4 results)