2016 Fiscal Year Annual Research Report
Comparative analysis of alternative splicing diversity in human and ape brains
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16H04849
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Research Institution | Center for Novel Science Initatives, National Institutes of Natural Sciences |
Principal Investigator |
郷 康広 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(新分野創成センター), 新分野創成センター, 特任准教授 (50377123)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 選択的スプライシング / 遺伝子発現 / 進化 / 霊長類 / チンパンジー / アイソフォーム |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトをヒトたらしめる分子基盤の解明のために,ヒトと類人猿の脳内発現遺伝子の転写産物(アイソフォーム)レベルの比較解析を行い,既存の参照ゲノム配列やデータベース上の遺伝子構造モデルに依存しない方法での選択的スプライシングの多様性解析を行うとともに,ヒト特異的新規発現エキソンの同定とその生物学的意義を解明することを目的とする. 平成28年度は,ヒトとチンパンジーそれぞれ1検体の死後脳8領域(前頭前野背外側部・下前頭回・運動前野一次視覚野・前帯状皮質・海馬・線条体・小脳)からTotal RNAを調整し,それぞれの種ごとに8領域由来RNAを等量ずつプールし,次世代シーケンサー(PacBio社RSII)によるアイソフォーム解析用ライブラリー(Iso-Seq法)の作製を行った.ライブラリー作製に関しては,Clontech社SMARTer法を用いた完全長cDNA合成を行い,最適なPCR増幅サイクルの最適化を行った後,合成cDNAの増幅を行った.その後,4つの分画(1-2kb, 2-3kb, 3-6kb, 5-10kb)にサイズ分画を行った後,PacBio社のSMARTbell法を用いてそれぞれのサイズ分画由来のcDNAのライブラリーを作成した.シーケンスに関しては,PacBio社RSIIシーケンサーによりヒト脳由来ライブラリーを1ライブラリーに対して1セルずつ配列解読を行い,現在シーケンス解析を実施中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していたヒト,チンパンジー,またアウトグループとしてゴリラの死後脳8領域由来RNA試料の調整も完了し,ヒト・チンパンジーに関しては当初の予定通り,Iso-Seq法を用いた比較トランスクリプトーム用ライブラリーの作製も完了した.また,ヒト脳由来ライブラリーに関しては,次世代シーケンシングによるデータ収集も完了することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
ヒトと同様にチンパンジーにおいてもIso-Seq法によるシーケンシングを行う.すでにライブラリーは作製済みのため,ヒトでのIso-Seq法による配列解析の結果を踏まえて,順次,チンパンジーにおいてもシーケンシングを進める.また,ヒト・チンパンジーのアウトグループとしてのゴリラにおいても同様に死後脳8領域からのライブラリー作製を進め,シーケンスを行う. 3種において得られた配列結果より,アイソフォーム多様性に関して,その種類を参照配列などの既存のデータに依存しない解析方法で,網羅的に新規同定を行う.新規に得られたアイソフォーム配列に関して,すでに申請者がデータを持っているショートリード型シーケンサーにより得られた発現データをマッピングすることで,アイソフォームごとの発現量を定量的に計測する.この方法により参照ゲノム配列の精度に依存しない(バイアスのない)種間比較が可能になる.
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Research Products
(12 results)