2019 Fiscal Year Annual Research Report
運動トレーニングによる高齢者の発汗機能改善特性とその性差
Project/Area Number |
16H04851
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Research Institution | Osaka International University |
Principal Investigator |
井上 芳光 大阪国際大学, 人間科学部, 教授 (70144566)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 博之 大阪信愛学院短期大学, その他部局等, 教授 (00203448)
天野 達郎 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (60734522)
近藤 徳彦 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (70215458)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 女性高齢マラソンランナー / 運動時発汗反応 / 汗イオン再吸収能力 / アセチルコリン誘発性発汗 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では女性の高齢マラソンランナー(OR群:65歳),若年運動鍛錬者(YT群),一般若年者(YU群)に対し,(1)30℃・50%環境下での低・中・高強度自転車運動(各15分間で45分連続運動),(2) 前腕・大腿でのアセチルコリン誘発性発汗テストを実施した.(1)の高温下運動実験では,直腸温と平均皮膚温から求めた平均体温(Tb)にOR・YT・YU群間で有意な差がみられなかったものの,胸・前腕の局所発汗量(SR)ではOR群がYU・YT群より有意に高いもしくはその傾向がみられ,大腿のSRではOMとYTがほぼ同等で,両群がYU群より有意な高値を示した.このことから,OR群はYU群のみならずYT群よりも優れた発汗機能を有することが示唆された.この優れた発汗機能は発汗開始Tb閾値(中枢機構の指標)より発汗感受性(末梢機構の指標)で顕著であり,活動汗腺数ではなく単一汗腺あたりの汗出力(SGO: 汗腺肥大and/or優れたコリン感受性を意味する)に起因した.さらに,OR群の優れた末梢機構の程度には身体部位差が存在し,老化が早期に発現する部分(大腿)ほど小さいことも示唆された.(1)における運動時のSR-ガルバニック皮膚コンダクタンス(⊿GSC)の対応関係から求めた汗イオン再吸収能力の指標は,OR群が前腕・大腿でYU群・YT群より,胸でYU群より有意に優れていた.さらにその指標は胸・前腕・大腿のいずれの部位においても,高強度運動時のSGOと有意な正の相関関係(胸:r= 0.89;前腕:r =0.89;大腿:r = 0.70)を有した.しかし,その指標は(2)のアセチルコリン誘発性SGOと前腕では有意な相関関係(r=0.67)がみられたが,大腿では有意な相関はみられなかったことから,優れた汗腺イオン再吸収能力はコリン感受性より汗腺サイズに起因する可能性が示唆された.
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)