2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of rice cultivars for phosphorus resource conservation
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16H04856
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉田 薫 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (70183994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深野 祐也 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (70713535)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 環境保全型農業 / 枯渇資源 / 収量 / リン欠乏 / フィチン酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.栄養器官でのリン転流制御機構の解明: 酵母でリン欠乏応答を担うイノシトール高次リン酸化合物を合成する酵素の一つKCS1のホモログ候補遺伝子の発現を抑制させた組換えイネを作出し、その機能を明らかにすることにした。KCS1のイネホモログと推定される5遺伝子を同時にRNAi で抑制する組換えイネを作出し、リン欠乏時に古葉から新葉へ転流するリン量を調べたところ、組換えイネでは新葉へのリン転流が抑制されることが明らかとなり、イネのKCS1ホモログは栄養器官のリン転流制御に関わることが示唆された。 イネ80品種を水耕栽培で育て、発芽後15日目からリン欠乏条件に移してその後20日間の古葉から新葉へのリン転流を調査した。古葉に含まれるリンはリン欠乏条件で大きく減少し新葉へ運ばれたが、その減少率には約2.7倍もの大きな品種間差が認められた。また、リン欠乏条件に置いてからリン転流が開始されるまでの時間にも品種間差があることがわかった。以上より、リン欠乏条件に速やかに応答してリンを効率よく利用できる品種の育成が可能であることが明らかとなった。 2. 圃場での種子へのリン転流の実態解明:リン十分条件と低リン条件の畑でイネ17品種を成育させ、出穂期と収穫期の穂と栄養器官に含まれるリン量を測定し、栄養器官に残されるリンの残留率および穂へのリン分配率を算出した。その結果、両指標には緩い負の相関があること、穂へのリン分配率には1.3倍の品種間差が、栄養器官へのリン残留率には約2.7倍の品種間差が見られること、土壌のリン条件が違ってもリン残留率の高い品種は高い傾向を示すことから、リン資源保全型品種の育成においてリン残留率は良い指標となることが示された。さらに、イネ80品種をリン十分条件の水田で育成し、収穫期の栄養器官へのリン残留率を調査したところ、約8倍の品種間差が認められた。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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