2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of new cultivars and MAS for useful traits in pear fruit using self-crossed F2 seedlings
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16H04874
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
板井 章浩 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (10252876)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
児玉 基一朗 鳥取大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (00183343)
村山 秀樹 山形大学, 農学部, 教授 (40230015)
山本 俊哉 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 本部, 所長・部門長・部長・研究管理役等 (60355360) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | MAS / 病害罹病性 / 追熟性 / リグニン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、セイヨウナシXニホンナシおよびニホンナシXチュウゴクナシ自殖F2集団を材料にして、高密度連鎖地図の作製および有用形質に関するDNAマーカー開発を行い、今後の新品種開発に役立てることを目的として実験を行った。果実の追熟性について、セイヨウナシXニホンナシF2集団個体果実を用いて、追熟処理としてエチレン処理を行い、その後の硬度低下を指標に評価を行った。台風により落果した個体もみられ、当初の予定より少ない個体になったものの、非追熟型、追熟型、中間型の3つの型に分類することができた。中間型を追熟性として加えると非追熟性:追熟性が3:1の遺伝分離比に適合した。追熟性が劣性形質である可能性が示唆された。同時に追熟性とエチレン生成の関係について、F2集団個体のナシACC合成酵素遺伝子(PpACS1)の遺伝子型を決定し、エチレン生成型と追熟性の相関を調査した。結果、エチレン生成型と追熟性の間には、相関がみられなかった。セイヨウナシBrown spot病罹病性の遺伝子座については、昨年度に引き続きRAD-seq解析を行い、Brown spot病罹病性の遺伝子座にこれまでより近接したSNPマーカーを数種得ることが出来た。さらにナシ果実に独特のざらざらした食感を構成する要素であるリグニンの定性及び定量分析を、セイヨウナシ、ニホンナシ、チュウゴクナシ品種で行った。この中で、ニホンナシの良食味品種は、果芯部と果肉部のリグニン含量の差が最も大きいことが判明した。食味部分である果肉において、長い人為的選抜の中で、リグニン含量の低下がもたらせられた可能性を示唆するものであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
セイヨウナシの重要病害であるBrown spot病罹病性の遺伝子座について、よりファインマッピングがされた。また他の病害罹病性についても、マッピングされつつありある。また追熟性についても、遺伝様式が明らかになりつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
病害罹病性遺伝子座についても、個体数を増やし、よりファインマッピングを試みる。さらに追熟性などの重要形質については、より個体数を増やして、遺伝様式の解明をおこなうと同時にマッピングとマーカー開発を行う。食感を左右するリグニン含量についても、調査をすすめる。さらには酸度、大きさ、熟期などの果実重要形質も同様にQTL解析を行う予定である。
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