2017 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular mechanism of nicotianamine secretion and its role in plants.
Project/Area Number |
16H04891
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Research Institution | Ishikawa Prefectural University |
Principal Investigator |
西澤 直子 石川県立大学, 生物資源環境学部, 特任教授 (70156066)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ニコチアナミン / 重金属耐性 / 植物 / トランスポーター / A.halleri |
Outline of Annual Research Achievements |
1) A. halleri からのニコチアナミン分泌輸送体の同定 これまでにA. halleri からニコチアナミン分泌輸送体と想定されるタンパク質を同定することができた。またGFPとの融合タンパク質を発現する形質転換シロイヌナズナを用いた局在解析の結果、このニコチアナミン輸送体候補タンパク質は、細胞膜でも液胞膜でもない未知オルガネラに局在することを見出した。この未知オルガネラを同定しその動態を明らかにすることによって、新規の分泌経路の存在を明らかにできる可能性が示された。この未知オルガネラはトランスゴルジネットワークに関わることが示唆されており、現在さらに解析を続けている。 (2)イネのニコチアナミン分泌膜輸送体の植物体における役割の解明 形質転換イネを用いたプロモーターGUS解析の結果、ENA1は主に根で発現し、鉄欠乏によって強くその発現が誘導されることが明らかとなった。これまでに、GFP-ENA1融合タンパク質あるいはENA1-GFP融合タンパク質を発現する形質転換イネを作出した。これらの形質転換イネを用いて、ENA1の細胞内局在解析を進めた結果、ENA1は主として細胞膜に局在すること、また細胞質内の未知の小胞状構造にも局在することが明らかになった。 ENA1の発現過剰イネと発現抑制イネを形質転換法により作出した。ENA1発現過剰イネを通常培地で栽培すると、根の伸長が抑えられ、根端が膨らんで根毛が密集する特殊な表現型を示した。この表現型は培地に過剰の亜鉛を添加することにより解消された。ENA1が亜鉛の代謝と恒常性維持において重要な機能を果たすことが示唆された。さらに、イネのtos17 挿入系統の中からENA1 欠損イネを複数同定し、これらの表現型を解析した。欠損イネの生育に大きな違いは観察されなかった。しかし、マイクアレイ解析により詳細に遺伝子発現の差を調べたところ、ENA1 欠損が根の色素体におけるストレス反応に影響することが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに、A. halleriからニコチアナミン分泌輸送体と想定されるタンパク質を同定することができた。また、ニコチアナミン分泌輸送体の局在解析を行い、細胞膜でも液胞膜でもない未知オルガネラに局在することを明らかにした。この未知オルガネラは、トランスゴルジネットワークに関わることが示唆された。 GFP-ENA1融合タンパク質あるいはENA1-GFP融合タンパク質を発現する形質転換イネを作出した。これらの形質転換イネを用いて、ENA1の細胞内局在解析を進めた。ENA1の発現過剰イネと発現抑制イネを形質転換法により作出して解析することにより、植物体におけるENA1の機能を推定した。
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Strategy for Future Research Activity |
A. halleriのニコチアナミン分泌において、これまで明らかになっている細胞内物質分泌経路とは全く異なる新規の分泌経路が存在する可能性について、さらに検証を進める。また、作出したイネニコチアナミン分泌膜輸送体ENA1の発現抑制イネと発現過剰イネ、あるいはtos17 挿入によるENA1欠損変異イネについて、その表現型や生育検定などの解析をさらに進め、成果をまとめて論文にする。
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Research Products
(26 results)
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[Presentation] HRZ ubiquitin ligases negatively regulate rice iron uptake, transport and accumulation under various iron conditions2017
Author(s)
Takanori Kobayashi, May Sann Aung, Reiko Nakanishi Itai, Takeshi Senoura, Hiroshi Masuda, Takaya Oikawa, Yasuhiro Ishimaru, Minoru Ueda, Hiromi Nakanishi, Naoko K. Nishizawa
Organizer
ASPB annual meeting in 2017 (Plant Biology 2017)
Int'l Joint Research
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