2016 Fiscal Year Annual Research Report
Prevention of life-related diseases through synchronization of tissue clocks by eating timing
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16H04922
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小田 裕昭 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (20204208)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 時間栄養学 / 摂食タイミング / 肝臓時計 / 筋肉時計 / 脳時計 / 臓器間ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
栄養・運動・睡眠は健康の要である。この3つの要素は生物時計という観点で見ると、統合的に制御できると考え、臓器間時計ネットワークの同調を介して代謝を正常化させて健康に結びつけるための分子的基盤を明らかにすることを目指す。現代社会では、肝臓時計の乱れによる代謝異常だけでなく、24時間社会による脳時計異常による睡眠障害、運動不足による筋肉時計異常による筋委縮など各臓器の異常が指摘されている。シフトワーカーに限らず仕事柄不規則な生活をせざるを得ない人では、3つの要素が乱れ(脱同調)、生活習慣病の罹患者が多い。そのため特に、摂食タイミングを生物時計のキー同調因子として、脳時計と肝臓時計、筋肉時計のネットワークの同調(脱同調)機構を明らかにする。 まずは摂食リズム崩壊モデル動物を用いて、摂食リズムの崩壊が肝臓の時計遺伝子ならびに脂質代謝関連遺伝子の発現を異常にさせるメカニズムを検討した。これらの異常が転写レベルで起きているのか検討する目的で、成熟mRNAのプロセッシングを受ける前の新生mRNA量を測定することにより、転写速度とした。そうしたところ、ほとんどのmRNA量の変化は転写レベルで制御されていることが分かった。しかし、転写レベル以降の、たとえばmRNAの安定性によりリズムが形成される遺伝子もあることを見出した。これは、新しい概日リズムの制御機構である。それが食事によって影響を受けることは新しい知見である。 筋肉の時計を見るために、生活不活動モデルラットを用いて筋肉時計と筋肉活動、筋萎縮の関係を調べた。この実験は、食事による筋肉時計へ与える影響を調べるための基礎的実験として行った。生活不活動モデルラットの筋肉は萎縮し、筋肉時計にも異常が生じることが分かった。さらに筋細胞の分化に関わる転写因子群が筋肉特異的な時計遺伝子として機能している可能性も分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定では、細胞培養実験を多くやる予定で考えていたが、そのための基礎的データをラット個体でとっておいた方がよいと判断して、摂食タイミングの崩壊による肝臓時計の異常メカニズムを詳細に調べた。 また、筋肉時計については、文献上もデータが限られており、まずは個体でリズムがどう制御されているのか基礎的データを得る目的で、私たちが開発した生活不活動モデルラットを用いて、筋萎縮との関係を調べた。また、臓器特異的時計遺伝子が筋肉ではどの遺伝子が担っているだろうかという点についても迫ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでは、摂食リズム崩壊モデルを使用してきたが、ヒトの食生活で実際に起こりうる乱れた食生活として、夜食症候群や朝食欠食を対象にした動物実験を中心に行う。それらのモデルでどのような変動が起きるのかを詳細に調べた後に、これらの乱れた食生活を正常化する時計リセット食品のスクリーニングを行う。 臓器間ネットワークとして、肝臓、筋肉、脳に注目してきた。脳は複雑な臓器で、各部位の時計が異なることがすでに知られている。そこで、脳の特定部位の時計を測定できる、体温とグルココルチコイドを指標として、SCN以外の脳の時計について検討する。そして夜食症候群や朝食欠食モデルでそれらの脳時計がどうなるかについて、摂食タイミングと脳時計の関係についても調べるつもりである。
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Research Products
(1 results)