2016 Fiscal Year Annual Research Report
Exosome, マイクロRNAに着目した機能性食品成分の新しい作用機構の解明
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16H04927
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
関 泰一郎 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (20187834)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細野 崇 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (80445741)
増澤・尾崎 依 日本大学, 生物資源科学部, 助手 (70614717)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 栄養生化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでにガーリック由来香気成分のジアリルトリスルフィド(DATS)や魚油(FO)の抗肥満作用を明らかにした。本研究では、DATS及びFOの機能発現におけるmiRNAの役割を検討し、これらの食品成分の新しい作用メカニズムを解明することを目的とした。 microRNAは22塩基前後と短鎖であり、またmiRNA間の配列類似性が非常に高いため、精度の高いRNA抽出法ならびにmiRNA特異的な配列を検出するqPCR法を用いる必要がある。miRNA 30b,30cは脂肪細胞の褐色化を抑制しているRIP140を抑制することにより脂肪細胞の褐色化、熱産生を亢進し、肥満を改善する可能性がある。そこで、FO含有食給餌マウスの脂肪組織におけるmiRNA 30bを指標としてmiRNA定量法の確立を試みた。C57BL/6Jに高脂肪食(Lard群)とFOを脂肪源とする45 kcal%高脂肪食(FO群)を給餌し本試験開始8週目に解剖した。各群の褐色脂肪組織(BAT)と鼠蹊部白色脂肪組織(ingWAT)から全RNAを抽出し、逆転写反応によりcDNAを合成した後、qPCR法によりmiRNA 30b及びmiRNA 30cを定量した。その結果、Lard群とFO群との間で発現量に差はなかった。ingWATでは褐色化関連遺伝子であるUCP1発現の増加が認められたがmiRNA 30bとmiRNA 30cの発現に変化はなかった。現在、さらにmiRNA 122,33等の脂質代謝制御機能を有するmiRNAや肥満病態で変化するmiRNAに着目して解析を進めている。また、DATS及びFOと類似した機能性を示す食品成分によって変化するmiRNAに着目して解析を進めており、抗肥満作用を示す各種食品成分の作用メカニズムを明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
抗肥満作用を示す2種類の機能性食品成分を投与したモデルマウスの各種臓器におけるmiRNA解析を行うことができた。これらのモデルにおけるエクソソームの単離、解析は継続中であるが、直接的なmiRNA解析を行うための基盤手法を確立し、予備的なデータを取得することができた。また、来年度実施予定の抗血小板作用に関する実験を前倒しで実施したので、全体的には順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、エクソソームの単離など既報通りの手技・手法で進展できないいくつかの問題に直面している。これらの実験手法に関しては、その分野に精通した協力者の助言を受けつつ、重点的な時間配分と綿密な計画を立案し、短時間で効率の良い実験を遂行する予定である。また、いくつかの食品成分、魚油などを投与・給餌した動物モデルは作成したので今後これらの試料を用いて効率よく研究を展開する。
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Research Products
(12 results)