2016 Fiscal Year Annual Research Report
分光反射によるキャノピー機能特性評価:ファンクショナルバイオジオグラフィーへ
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16H04933
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
王 権 静岡大学, 農学部, 教授 (50402235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水永 博己 静岡大学, 農学部, 教授 (20291552)
薗部 礼 静岡大学, 農学部, 助教 (40755352)
飯尾 淳弘 静岡大学, 農学部, 准教授 (90422740)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 分光放射 / 生理応答 / キャノピ / RTM / 機能評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は分光特性を利用したキャノピースケールでの生理応答特性、特に光合成に関連する応答を評価するシステムを開発し、キャノピースケールにおける生理生態機能を評価する。様々なスケールにおける生理応答や分光反射特性の測定を同時に行うほか、RTMモデルや地上LIDARによる構造情報などを統合する。さらに、キャノピースケールの分光特性に対する生理プロセス、生化学、構造のそれぞれの要因の感度分析を行い、分光反射特性の起因を明らかにする。 初年度は落葉広葉樹の個葉における分光反射特性と生化学特性,生理応答の関係を解析した。 分光反射特性による生理生体特性の評価に関しては,新潟県苗場山ブナ林を主要な研究サイトとして(標高900m、平均樹高約20m)に生育する若いブナを対象に計測を実施した。定期的に蒸散量を含む生理生態特性と高分解能分光反射特性の計測を行った。解析手法としては,分光反射指数に基づく方法及び偏最小2乗回帰 (PLSR)を用いた手法の2つのアプローチを用いて,実測によって蒸散量と分光反射特性の関係を明らかにした。 生化学特性の評価に関しては,苗場山のほかに,静岡大学農学部附属南アルプスフィールド及びオンラインで公開されている2種類のデータセット(LOPEX,ANGERS)を用いることによって,クロロフィル含量の評価に有効とされている既存の分光反射指数の評価,さらには,よりロバストな分光反射指数を提案することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
査読付き論文及び多数の学会における口頭発表によって公開した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度はデータの充実化を図るため、新たな試験地において観測を開始する。地上Lidarによるキャノピーの3次元構造の取得及び個葉スケールでの生理生態特性と分光反射特性の計測を実施する。加えて、シュートスケール及び幹レベルでの樹液量の連続測定及びAPOGEE SS-110を用いた分光反射特性の自動計測も実施する。これらの結果を解析し、RTMを構築する。
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