2018 Fiscal Year Annual Research Report
分光反射によるキャノピー機能特性評価:ファンクショナルバイオジオグラフィーへ
Project/Area Number |
16H04933
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
王 権 静岡大学, 農学部, 教授 (50402235)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水永 博己 静岡大学, 農学部, 教授 (20291552)
薗部 礼 静岡大学, 農学部, 助教 (40755352)
飯尾 淳弘 静岡大学, 農学部, 准教授 (90422740)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 分光反射 / 生理応答 / キャノピ / RTM / 機能評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は分光特性を利用したキャノピースケールでの生理応答特性、特に光合成に関連する応答を評価するシステムを開発し、キャノピースケールにおける生理生態機能を評価する。今年度は引き続き静岡大学農学部附属南アルプスフィールドタワーサイト落葉広葉樹を中心に、個葉からキャノピ、さらにプロットスケールにおける分光反射特性と構造、生化学特性、生理応答の関係を解析した。9月30日までキャノピーレベルでの樹液量の連続測定及びAPOGEE SS-110を用いた分光反射特性の自動計測も実施した。さらに、キャノピーを14ボクセルに区分して、incomingとoutgoing光環境PPFDを中心に連続測定し、同時にボクセル内の気温と葉温も連続測定した。その他、定期的に地上Lidarによるキャノピーの3次元構造及び個葉スケールでの生理生態特性と分光反射特性の計測を実施した。しかし、9月30日の台風24号により極大のダメージをうけ、観察用タワー2基と全ての野外測定機械が全壊し、その後のデータ収集は不可能になった。 分光反射特性による生理生化学特性の評価に関しては,南アルプスフィールドにおける6種の落葉広葉樹を中心として,ガス交換の評価に欠かせないの重要なパラメータVcmaxとJmaxについてロバストな分光反射指数を開発しており、現在論文を準備中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
生化学特性による分光特性への影響メカニズムを明らかにし、分光特性と生理特性との関連性も確認できました。これらの結果を基づいて、査読付き論文及び多数の学会における口頭発表によって公開した。
|
Strategy for Future Research Activity |
昨年度多数の野外自動計測機器を損壊し且2019年度中も補充できないため、2019年度はフィールドキャンペーンを中心にし、本評価システムにおいて補助的なデータの測定を予定している。特にキャノピーとプロットスケールでの構造パラメータの取得及び個葉とキャノピースケールでの生理生態特性と分光特性、反射特性の計測を実施する。UAVを用いてプロットスケールでの分光反射特性の計測も実施する。さらに、2019年度はモデリングを中心に、これらのデータに基づいて、RTMとガス交換モデルの校正と検証を行う。
|