2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of monitoring method using multi-sensors for sustainable manegement of natural forest
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16H04946
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
平田 泰雅 国立研究開発法人森林総合研究所, 研究ディレクター, 気候変動研究担当 (50353826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾張 敏章 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (00292003)
古家 直行 国立研究開発法人森林総合研究所, 北海道支所, 主任研究員 (50391181)
鎌田 直人 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (90303255)
坂上 大翼 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (90313080)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | リモートセンシング / 天然林 / センサ / モニタリング / 持続的管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、UAV搭載センサを用いて単木樹冠の形状や反射スペクトル特性から樹種分布や病虫害等の発生状況をモニタリングする手法を開発するとともに、デジタル空中写真、航空機レーザスキャナデータから、天然林の林相および資源量を高精度で広域把握する手法を開発することを目的とする。 まず、東京大学北海道演習林においてUAVによる空撮を実施した。マルチスペクトル画像の取得とともに、樹種ごとの紅葉・落葉期の多時期観測データを取得した。UAVによる精細画像からは針葉樹と落葉広葉樹の判別は容易であり、多時期モニタリングにより樹種ごとの紅葉・落葉時期の違いも明瞭に観測された。さらに、UAV空撮画像上で、虫害による葉の食害が確認されるとともに、梢端部の先枯れの状況等を確認することができた。単木抽出に用いられているWatershed法をUAV空撮画像から作成された天然林の林冠モデルへ適用した。詳細な林冠モデルに対し平滑化処理を行うことで、天然林の構成樹種に対しても本手法は機能したが、部分的に単一樹冠の多分割が多く生じた。今後、単木樹冠の抽出精度の向上が課題である。 次に、航空機搭載センサによる林分・景観レベルでの森林情報を把握するため、デジタル空中写真から得られる林冠の反射スペクトル特性、樹冠のサイズ構造やギャップの情報、航空機レーザスキャナデータから得られる林冠高の情報を用いてオブジェクトベース分類により対象地における林相区分を行った。その結果、斜面が一様な場所では適切に林相区分できたものの、谷筋では強い陰影の影響により林相とは異なるオブジェクトが生成されてしまった。今後、地形モデルを用いてこの影響を軽減する手法を開発する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
東京大学北海道演習林で実施しているプロット調査のデータを利用できるため、予定通り解析が進んでいる。また、本研究のUAV計測を補助している東京大学北海道演習林の技術職員は、UAV操作について高い操縦技術と深い知識を有しているため、計測が順調に進んでいる。ただし、平成28年度夏には北海道に台風が立て続けに上陸し、研究対象地の富良野市は甚大な被害を受けた。演習林においても、林道のいくつかが台風により崩壊したため、予定していたプロットでのUAV計測が実施できず、他のプロットに計測を変更した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、UAVで抽出された有用樹種や衰退・腐朽木、病虫害被害木の分布状況の把握をデジタル空中写真および航空機レーザスキャナデータを用いて広域にスケールアップするために、人工林で単木抽出に用いられているWatershed法がどのように天然林に適用可能であるかについて検討し、その抽出精度を個体位置の測量が完了しているプロットで検証する。併せて、抽出された樹冠の反射スペクトル特性や樹冠形の特徴を明らかにする。また、デジタル空中写真から得られる林冠の反射スペクトル特性、樹冠のサイズ構造やギャップの情報、航空機レーザスキャナデータから得られる林冠高の情報を用いてオブジェクトベース分類により林相区分を行う。林相区分においては、森林資源調査により得られた立木密度や林分蓄積、樹種構成、サイズ構造などの調査データと施業に応じた林種区分による林分の境界測量結果を用いて、最適な分類パラメータを決定する。
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Research Products
(5 results)