2016 Fiscal Year Annual Research Report
イオン液体をプラットフォームとした木質バイオマスの精密分子変換
Project/Area Number |
16H04957
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
岸本 崇生 富山県立大学, 工学部, 准教授 (60312394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 聡 富山県農林水産総合技術センター, 富山県農林水産総合技術センター木材研究所, 副主幹研究員 (50446639)
ロジャース 有希子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (90726530)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | バイオマス / イオン液体 / マイクロ波加熱 |
Outline of Annual Research Achievements |
イオン液体/有機溶媒混合溶媒系を用いることにより,セルロースや木粉を温和な室温条件下で木材成分の顕著な分解を伴わずに完全に溶解できること,エステル化等の均一誘導体化ができることを見出し,NMR(核磁気共鳴法)を用いた細胞壁成分(リグニン,セルロース,ヘミセルロース)の解析に利用できることを報告している。本研究では,このイオン液体混合溶媒系を,木質バイオマスの精密分子変換のための反応場として用い,バイオマス変換のためのプラットフォームとして確立することを目指している。 今年度は、フォスフォニウム塩タイプのアミノ酸型イオン液体を用いたセルラーゼによるセルロースからメチルβ‐D‐グルコシドへの変換では、条件の最適化や、グラムスケールのセルロースを用いた変換について検討した。さらに、イオン液体混合溶媒系中でのセルロースのアルキルグルコシドへの酸触媒直接変換について検討した。酸触媒処理ではイオン液体として1-アリル-3-メチルーイミダゾリウムクロリドを用いた。共溶媒は、N-メチルピロリドンなどの非プロトン性極性溶媒を用いた。加熱方法としてオイルバスを用いた通常加熱と、マイクロ波反応装置を用いた加熱を比較した。イオン液体前処理とイオン液体中での反応の差異についても比較した。リグニンの反応では、β‐O‐4型リグニンモデル化合物を合成し、酸性条件下での低分子化反応についてどのような反応が進行するかという観点から基礎的事項について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
酸触媒のアルキルグルコシドへの変換では、狙い通りイオン液体処理による反応性の向上および収率の向上が達成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
セルロースのアルキルグルコシドへの変換では、さらに条件の検討を進める。リグニンの反応や木質バイオマスの反応についても検討する。
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