2016 Fiscal Year Annual Research Report
食品の公共財的属性に対する消費者選好の適正な評価手法についての研究
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16H04985
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
氏家 清和 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (30401714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 恵子 横浜国立大学, 研究推進機構, 講師 (10546732)
赤井 研樹 島根大学, 戦略的研究推進センター, 助教 (20583214)
茂野 隆一 筑波大学, 生命環境系, 教授 (60292512)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 実験オークション / 消費者行動 / スキャナーパネルデータ / 公共財的属性 |
Outline of Annual Research Achievements |
文献データベースや書籍、学会などで情報を収集し、既往文献や報告でレポートされている消費者の支払意思額ならびに適用されている調査対象や手法の特徴についてまとめた網羅的なデータベースの構築をすすめた。 協力事業者の購買履歴データを解析した。商品属性と購買者特性との関連性を多変量解析等の手法を用いて多角的に検討し、購入数量や購入者比率をはじめ、商品毎の購買者の特徴をまとめた一覧データの作成に取り組んだ。 実験実施のために,環境配慮型商品やフェアトレード商品、地域農業支援型商品など、様々な公共財的属性をもつ商品のうち、購入者率が高く、かつ多様な特性をもつ組合員に購入されている商品を比較検討した。これらのデータベースを活用し、実験群の設定ならびに実験において参加者に提示する商品プロファイルの設計を進めた。また,地域支援意向等が消費行動にどのように影響するのかデータの解析を進めた。 経済実験を適正に行うためには、実験デザインを十分に検討しなければならず、またオペレーションがスムーズにいくような措置を講ずる必要がある。本年度は,協力研究者らも交えて実験デザインの検討を進めた。特に実験参加者が協力事業者の会員であることから,実在の商品による実験オークションを実施する場合,参加者に内在している参照価格が影響を与えうる可能性についてもっと配慮する必要性が議論され,実施対象として発売予定の商品や類似商品を採用することが検討された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一部に遅れは見られるものの,次年度に行う予定の実験デザインの大筋は固まりつつあり,概ね順調に作業は進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度には経済実験の実施ならびに購買履歴データと実験データの統合データベース化と解析を行う。 本実験においては500名程度の参加者を募集して実験を行う.まず,被験者候補の抽出を行う.協力事業者内に整備されている全組合員の購買履歴データベースを利用して,実験参加候補者を抽出し参加者募集を行う.個人情報を取り扱うため,この作業は協力事業者に委託する。応募者に対しては実験内容や参加報酬についての詳細な説明書を配布し、実験参加同意書を取りまとめる。 実験参加者を実験会場に招き、選択実験を行う。実験においては、(1)仮想環境下(支払いを伴わない)選択実験での商品選択データ、(2)非仮想環境下(支払いを伴う)選択型実験での商品選択データを同一人から収集する。なお実施の際には利他性やリスク選好、時間選好など幅広い属性情報も収集する。これらの実験データに実験参加者の購買履歴データを結合し、パネル構造を持つシングルソースデータベースを構築する。実験での選択データと実際の購入における商品選択データの差異を解析し、個人属性、商品属性、家計内での在庫状況、購入経験などが実験バイアスにどのように影響するか評価する。
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Research Products
(8 results)