2016 Fiscal Year Annual Research Report
気候変動下の貿易自由化と世界食料市場システミックリスク：多地域DSGEモデル評価
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16H04991
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| Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
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Principal Investigator |
國光 洋二 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究部門 地域資源工学研究領域, ユニット長 (30360390)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 勝宏 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (80225698)
江口 允崇 駒澤大学, 経済学部, 准教授 (40600507)
徳永 澄憲 麗澤大学, 経済学部, 教授 (10150624)
横沢 正幸 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (80354124)
櫻井 玄 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境変動研究センター 生態系計測研究領域, 研究員 (70452737)
花崎 直太 国立研究開発法人国立環境研究所, 地球環境研究センター, 主任研究員 (50442710)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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| Keywords | 食糧自給・食料安全保障 / 動学確率的一般均衡（DSGE)モデル / 応用一般均衡（CGE）モデル / 作物モデル / 水門モデル |
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| Outline of Annual Research Achievements |
①気候データ、作物データ、地形データの整備：実績の気候データ、作物収量のデータ、河川流況データをもとに、新規年のデータを追加して実績データを整理した。また、水文モデル作成に不可欠な全球の流域地形データを整備した。合わせて、全球気候モデルであるMIROC V5等の将来予測結果を整理してデータベース化に着手した。
②経済データ整備：GTAP(米Purdue大学)の世界経済データをもとに、計算時間と結果の最適化を図りつつ地域統合、部門統合を行った。日本経済については、地域間産業連関表や国民経済計算の経済データを収集・整理した。これらデータをモデル開発用のソフトウェア上で利用可能な型式に変換して、経済データベースの作成に着手した。
③水文モデルの構造の見直し：水文モデル（HiGW-MAT）をもとに、人間活動を考慮して日降雨量から世界の河川流況を高精度に予測可能な水文モデルの改良に着手した。
④作物モデルの構造の見直し：主要４作物（米、麦、大豆、トウモロコシ）について、PRYSBI2モデルをもとに、技術係数や灌漑率の影響を加味して高度な収量推計を行うモデルの定式化に着手した。
⑤多地域DSGEモデルの定式化：先行研究のモデルをもとに、多地域に対応した世界多地域DSGEモデルと日本の多地域DSGEモデルの構造を検討した。また、DSGEモデルとの比較のため、気候変動の影響を確定的なショックとして取り扱う逐次動学型の世界CGEモデルと日本の地域CGEモデルの改良に着手した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年2回の研究会開催により、課題相互の連携を取りながら順調に進めている。
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| Strategy for Future Research Activity |
①水文モデルの推定と渇水・灌漑率の予測：実績の気候及び流況データと流域地形データをもとに、流出係数等のパラメータの修正（チューニング）を行って、全球のグリッド（１度単位）ごとの流量を予測する水文モデルを作成する。作成したモデルを用いて、複数の将来シナリオ（RCP）に沿った全球気候モデルの気候予測結果を入力して2100年までのグリッドごとの流況、用水利用可能量及び灌漑率の変化を予測する。
②作物モデルの推定と作物別の単収予測：実績の気候及び収量データをもとに、全球のグリッドごとに、作物別の単収を予測する作物モデルを作成する。作成したモデルに、複数の将来シナリオ（RCP）に沿った全球気候モデルの予測結果と水文モデルの出力を入力し、2100年までの国別・作物別の収量予測を行う。
③世界及び日本のDSGEモデルの作成：GTAPの世界経済データや日本の国民経済計算データを用いて、先行研究のディープパラメターの推計値を参考に定常状態の経済状況を求め、多地域化したモデルのパラメータをカリブレートする。モデルにIPCCの社会経済シナリオ（SSP）の状況を入力し、多地域における不確実性ショックの経時的な影響を示す手法の開発に着手する。
④世界及び日本の逐次動学CGEモデル：世界及び日本の逐次動学CGEモデルの高度化を図るため、IPCCの社会経済シナリオ（SSP）の状況を入力し、各国の将来的な経済水準の変化を試算する。
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