2018 Fiscal Year Annual Research Report
Quality evaluation of food and agricultural products using water molecule network
Project/Area Number |
16H05010
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小川 雄一 京都大学, 農学研究科, 准教授 (20373285)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | テラヘルツ波 / 水素結合 / 水 / デンプン / 食品加工 / アクチン |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度、5 THz以上の高周波側のTHz分光スペクトルを利用することで、豆苗中のデンプンの定量分析が可能であることが分かった。また、デンプンは農産物中で結晶構造を持つことからテラヘルツ分光による吸収スペクトルの観察が期待される。つまり、水の情報が多い農産物の中で定量かつ定性評価が可能な物質と期待できることから、このデンプンを通じで農産物の評価を行える可能性が見出され、特に9.0 THzと10.5 THzで高い相関が得られることが分かった。また、これらのピークは加水分解後には無くなることから、この吸収はデンプンの高次構造に由来するものと結論付けられた。一方、温度や湿度を制御して試料に変化を加えた際のTHz分光計測を可能とする測定系を構築した。このとき、同時に厚みの情報を計測する必要があることから、レーザー変位計を2つ組み合わせたチャンバーを試作することに成功した。 生体反応の場である水分子の動態は、細胞機能そのものに影響を与えるとの考えから、逆に高強度なテラヘルツ電場を細胞に与えることで、何らかの影響が観測されることが期待される。そこで、ジャイロトロンを光源とした細胞への照射実験を実施したところ、アクチンの機能が変化することを見出した。このことは、テラヘルツ波が直接アクチンに作用したか、反応の場である水に作用し、その結果アクチンの重合性が亢進したことを意味する。本研究期間では、このメカニズム解明に結論を出すことはできなかったが、テラヘルツ波を積極的に活用した新しい食品加工法を提案できる可能性を示唆する結果を得たと言える。今後は食品加工でも重要な酵素反応等への影響を探索することが重要であるとの知見を得た。
|
Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|