2019 Fiscal Year Annual Research Report
GAPDHカスケードを基軸としたストレス性精神疾患の発症機序解明と治療戦略の構築
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16H05029
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
中嶋 秀満 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (30405360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑村 充 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (20244668)
乾 隆 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (80352912)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | GAPDH / ストレス性精神疾患 / 行動実験 / 獣医薬理 / 創薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の主な成果として3つの発見をした。前年度確立した、よりヒト・動物の環境ストレス要因をミミックした社会性ストレス(母子分離+社会性孤立)モデルを用いて、生後からの海馬GAPDHの核移行の程度、行動実験(ソーシャルインタラクションテスト)によるマウスの社会性行動、およびそれらに対するGAPDH核移行阻害剤CGP3466Bの効果を検討した。結果、社会性孤立4週間の間にGAPDHの核移行は経時的に上昇し、それに伴い、異常行動の増加(群れを形成する・侵入者の匂いを感知するなどの社会性行動の減少)が認められた。また、CGP3466Bは上記の両者を正常化した。つまり、社会性ストレスにおいてもGAPDH核移行による異常行動の発症が薬理学的に明らかとなった。次に、DNAマイクロアレイを用いて、物理的ストレス(拘束水浸ストレス)による海馬遺伝子の網羅的変動解析を実施した。興味深いことに、変動したトップ50の遺伝子は、non-coding RNAであった。その中で上位3位のnon-coding RNAを定量的PCRで詳細に解析した結果、物理的処置により増加した遺伝子は、CGP3466B処置により正常化した。データベース解析において、これら3つのnon-coding RNAの機能は不明であり、今後、最新ゲノム編集GONAD法を用いて、これらの遺伝子を破壊し、機能を解析する必要がある。また、non-coding RNAを基軸とした新しい創薬点として、期待される。3点目は、GONAD法によりGAPDHヘテロKOマウスを作製し、拘束水浸ストレスにて供した。結果、GAPDHヘテロKOマウスは尾懸垂テストで不安行動の抑制が認められた。今後、さらに社会性ストレスに供することで、詳細な解析を実施したい。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)