2019 Fiscal Year Annual Research Report
子牛神経疾患の生前診断と予後判定を目指した神経障害マーカーの網羅的検索
Project/Area Number |
16H05034
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
猪熊 壽 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (70263803)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 牛 / バイオマーカー / 脳脊髄液 / プロテオーム解析 / 診断 / 神経疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
高度医療機器の利用が困難な牛の神経疾患の診断に有用な脳脊髄液(CSF)中の診断マーカーの確立を目指して研究を実施した。 1.リン酸化ニューロフィラメント重鎖(pNF-H)に着目してその有用性を検討した。神経疾患群のCSF中pNF-H濃度中央値2316.8 pg/mlは対照群の中央値382.1 pg/mlに比べて有意に高値を示した。疾患別内訳は感染・炎症7105.3 pg/ml,奇形・先天性569.9 pg/ml,変性性1366.9 pg/ml,外傷性10189.4 pg/ml,代謝性5859.0 pg/ml,不明9995.2 pg/mlであり,CSF-pNF-Hは牛の神経細胞の傷害を示唆するマーカーとして有用と考えられた。 2.昨年までの研究成果として見いだされたCSF中のハプトグロビン(Hpg)の臨床的有用性を検討した。神経疾患群のCSF-Hpg濃度中央値158.9 ng/mlは非神経疾患群中央値82.2ng/mlより有意に高値を示した。疾患別内訳は,感染・炎症593.8 ng/ml,外傷・血管性344.8 ng/ml,変性性297.8 ng/ml,腫瘍88.1 ng/ml,奇形・先天性67.1 ng/mlであり,CSF-Hpgは神経細胞の傷害が重篤なほど高値であり,神経傷害マーカーとして利用できると思われた。 3.生前診断が困難な疾患として小脳皮質変性症に着目し,プロテオーム解析を用いCSF中の疾患特異的タンパク質を網羅的に検索した。病理学的に小脳皮質変性症と診断された牛3例のCSFを材料にスポット分布を健常牛と比較検討した。本症罹患牛3例では対照よりも多くのスポットが検出された。3症例に共通してpI 5-6,MW 75 kDa付近に複数のスポットが確認され,これらは疾患特異的診断マーカー候補になると思われた。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)