2018 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the signaling network controlling the crosstalk between plant immunity and environmental response
Project/Area Number |
16H05065
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
多田 安臣 名古屋大学, 遺伝子実験施設, 教授 (40552740)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 植物免疫 / 植物ホルモン |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで、JA応答性のMYC転写因子やSA応答性のWRKY転写因子など、NPR1とJAZの標的転写因子の多くは共通していることを明らかにした。Nicotiana Benthamianaを用いた一過的発現解析によって、NPR1はMYCの転写活性化能を、JAZと同様に抑制することを明らかにした。上述のようにNPR1、JAZ共に多くの転写因子を標的としていることが明らかになったので、次にNPR1-GFP植物を用いたChIP-seq解析を行った。3回反復した調査の結果、SA/JA同時処理時においてNPR1は約100遺伝子の5’領域(プロモーター領域)に結合することを明らかにした。興味深いことに、本結合領域に保存されるシス配列はTGACG配列のみであり、これはNPR1が活性化することが知られているTGA転写因子の認識配列である。すなわち、NPR1はMYCなど多様な転写因子と相互作用するが、プロモーター上で複合体を形成するのはTGA転写因子が主たるものであることが示された。さらに、MYC2p::MYC2-FLAGを用いたChIP-qPCR解析からも、NPR1とMYC2の結合は、プロモーター上で生じないことが示され、NPR1が標的とする転写因子の殆どすべてはその転写活性が抑制されるものであると考えられた。実際、本研究で明らかにしたNPR1とWRKYの相互作用もプロモーター上では生じず、NPR1はWRKYのリプレッサーとしての機能を除去することを明らかにした。重要な点として、NPR1は免疫を正に制御するWRKYとは結合しないことも明らかにしている。以上の結果から、多様な情報伝達系が構築するネットワークにおいて、SA/NPR1シグナルは、その標的転写因子の機能を負に調節すること、唯一TGA転写因子とのみ転写活性化複合体を形成することが強く示唆された。
|
Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|