2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16H05074
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
畑山 範 長崎大学, 先端創薬イノベーションセンター, 教授 (20143000)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 淳 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 准教授 (80250413)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 有機合成化学 / 天然物 / 全合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究においては、特異な含窒素大環状構造と抗腫瘍活性や抗菌活性や抗線虫活性などの顕著な生物活性をもつハリクロニンA、マリネオシンA、Bおよびテルモリド類天然物を研究対象として取り上げ、全合成研究をとおしてその量的供給を可能にする効率的合成法と新規な有用分子構築法を確立することを目的としている。また、多様な誘導体を合成することによって、活性に関わる構造情報を引き出し、活性発現機構の解明や医薬開発研究に貢献することも目的としている。ハリクロニンAに関しては、Trostらのπ-アリルパラジウム錯体への不斉アシロキシ化を利用するシクロヘキサノン基質の合成と連続的なアミドカルボニルラジカルの環化-アリル化と閉環メタセシスに基づく3-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-2,7-ジオン骨格の構築に成功し、鍵中間体へのルートを確立した。マリネオシンA、Bに関しては、Paal-Knorr合成法とアルケン閉環メタセシスに基づくルートでピロールとδ-ラクトンを含むマクロ環中間体の量的供給を行い、さらに残りの2-ピロロ-4メトキシジヒドロピロール部構築を開始した。テルモリドBに関しては、シンコナアルカロイド触媒不斉森田-Baylis-Hillman反応とsyn-およびanti-選択的水素化を組み合わせたポリプロピオナート構造単位の立体制御構築法に基づく方法論で、アミノ酸部を除く全炭素鎖であるC10-C21部の立体制御構築を達成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の標的化合物であるハリクロニンA、マリネオシンA、B、おおびテルモリド類天然物についてそれぞれ鍵中間体の合成を達成できた。同時に、量的供給に向けて、更なる収率、選択性等の改善点も見出した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の変更は特にない。反応条件の詳細な検討により収率、選択性等の改善を図りつつ標的化合物それぞれについて全合成を推進する計画である。
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Research Products
(10 results)