2018 Fiscal Year Annual Research Report
Understanding of disease-associated epigenome regulatory mechanisms through high-resolution detection of hyperactive chromatin
Project/Area Number |
16H05089
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
梅原 崇史 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, ユニットリーダー (20415095)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | エピジェネティクス / ヒストン / ヌクレオソーム / クロマチン / 遺伝子発現 / がん / 診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ヒト細胞でヒストンH4が高アセチル化修飾(H4K5acK8ac)されたクロマチン領域を1ヌクレオソーム分解能で検出する新規技術を開発し、疾患細胞のエピゲノム異常の形成機構を理解することを目的とする。本年度は、昨年度までに取得した複数のヒト細胞株のヒストンH4高アセチル化のクロマチン免疫沈降シークエンス(ChIP-seq)データと遺伝子発現プロファイルについてバイオインフォマティクス解析を行った。昨年度までに検証したヒストンH4K5acK8ac認識抗体をChIP-seq技術に適用してヒト肺がんH23細胞株のエピゲノム地図を解析した結果、遺伝子のエンハンサー領域とプロモーター領域の両方に分布しており、既知のエピゲノム修飾の中ではヒストンH3のアセチル化修飾(H3K27ac)の局在と最も一致度が高いことが判明した。次にアセチル化ヒストンに結合するBETファミリータンパク質の一種であるBRD2とH4K5acK8acまたはH3K27acとの共局在を解析した結果、BRD2との共局在はH4K5acK8acの方がH3K27acよりも高く相関することを見出した。また高アセチル化と遺伝子発現の相関関係を行った結果、遺伝子の転写産物量とH4K5acK8acのChIP-seqシグナルが強い正の相関にあることを見出した。さらに、BETファミリータンパク質に対する阻害剤をヒト肺がん細胞株に投与してもヒストンH4の高アセチル化は影響を受けず、この修飾が極めて頑強ながんエピゲノムの新規マークであることを突きとめた。以上の結果から、BETファミリータンパク質に対する阻害剤を単剤で投与した場合、BETファミリータンパク質に依存するがんについては一時的な治療効果が期待できるが、その背景にある悪性のエピゲノムは根治されていないことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初立案していた計画の主要内容について予想以上に研究が進展し、論文発表に至ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画の主要内容の解析と論文発表を完了したため、肺がん以外の疾患細胞におけるエピゲノム高アセチル化修飾の解析を進め、異なるがん間での共通および特異的な制御分子機構の解明をめざす。
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[Presentation] JQ1 affects BRD2-dependent and independent transcription regulation without disrupting H4-hyperacetylated chromatin states2018
Author(s)
Handoko, L., Kaczkowski, B., Hon, C.C., Lizio, M., Wakamori, M., Matsuda, T., Ito, T., Jeyamohan, P., Sato, Y., Sakamoto, K., Yokoyama, Y., Kimura, H., Minoda, A., Umehara, T.
Organizer
13th EMBL Conference on Transcription and Chromatin
Int'l Joint Research
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