2016 Fiscal Year Annual Research Report
Preclinical and clinical study of influenza microneedle vaccine and analysis of immunity induction mechanism
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16H05112
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中川 晋作 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (70207728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅田 秀夫 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60252681)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ワクチン / 経皮免疫 / インフルエンザ |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、これまでにインフルエンザに対するマイクロニードル(MN)ワクチンのヒト臨床研究を実施し、重篤な副反応を示すことなく、注射投与よりも高い有効性を示すことを明らかにした。その一方でこれまでのMNでは針部強度の低下により確実に皮膚に穿刺出来ない可能性を有すると言った問題点も明らかになった。本研究では、実用化を念頭にこの問題点を克服した新たな2段式MNワクチンを開発し、その安全性と有効性を前臨床研究並びにヒト臨床研究にて評価することを目的としている。 まずポリグリコール酸(PG)を用いた2段式MNの針先にインフルエンザHA抗原を塗布し、その溶出特性(溶出時間や溶出量)を評価した結果、100%に近い量のHA抗原が速やかに溶出されることを確認した。また溶出されたHA抗原のHA価も失活することなく、高いレベルで維持されていた。さらに本MNの皮膚への穿刺特性を評価した結果、十分に穿刺出来る針部強度を有することを明らかにした。さらにこのMNを用いてマウスに免疫したところ、各HA抗原に対して抗原特異的な抗体産生が得られることを明らかにした。また穿刺した部位の皮膚刺激性も評価したところ、これまでのMNと同レベルであった。以上の結果から、この2段式PG-MNはこれまでのMNの問題点を克服した上で、製剤特性並びに安全性及び有効性についてはこれまでのMNワクチンと同等である可能性が示された。そこでこの2段式PG-MN自体の安全性をヒト臨床研究にて評価した。上腕外側部の皮膚に2段式PG-MNを貼付したところ、貼付部位において水分蒸散量が上昇したことから、確実に穿刺出来ていると判断した。また貼付部位は、軽微な紅斑は観察されたが浮腫などの重篤な皮膚刺激性は認められず、また血液検査においても異常は認められなかったことから、本2段式PG-MNは、ヒトにおいても安全に使用できるMN製剤に成りうると判断した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基礎研究、前臨床研究並びに臨床研究共に当初予定していた計画通りに実施することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
特段の問題が無いので当初の予定通りに研究を実施する予定である。
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Research Products
(13 results)